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2014年12月24日16:50

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【映画】白夜のタンゴ

「えっ、タンゴってフィンランドで生まれた音楽なの?!」
映画の予告編を見て驚いた。タンゴと言えばアルゼンチン。フィンランド起源説など考えたことがなかったし、そんな説があることも知らなかった。
アルゼンチンのタンゴミュージシャンたちもその説は容認できるものではなかったようだ。彼らは真偽を確かめにフィンランドへ向かう。

車や建物がひしめく喧騒のブエノスアイレスから、森と湖が延々と続くフィンランドの静謐な片田舎へ。
肌が浅黒く、髪と目が黒く、情熱的で陽気なアルゼンチン人と、真っ白な肌に金髪碧眼、寡黙で内省的なフィンランド人。
南米と北欧ではあらゆるものが正反対だ。にもかかわらず、これらの地でタンゴが人々に愛されているのは興味深い。タンゴのリズムや音階は、人間が本質的に持っている郷愁や憂いの感情を呼び起こすものなのだろう。

で、結局、タンゴが生まれたのはフィンランドなのかアルゼンチンなのか? 双方のミュージシャンは自分の国がタンゴ発祥の地だと自負しているものの、残念ながら映画の中でその起源は明らかにされない。多分、永遠に分からないだろう。世界で最初にタンゴが演奏された瞬間の記録など存在しないのだから。
そういう意味では、やや不満が残る。穏やかでユーモラスな映像だが、「面白かった!!」と言えるような作品でもない。
だが、ギター、バンドネオン、アコーディオンなどの、プレイヤーの息遣いやタッチがそのまま反映されるアコースティックな楽器ならではの、音の響きがとても美しかった。



監督:ヴィヴィアン・ブルーメンシェイン
出演:ワルテル“チーノ”ラボルデ、ディエゴ“ディピ”クイッコ、パブロ・グレコ、アキ・カウリスマキ、レイヨ・タイパレ、M.A.ヌンミネン、カリ・リンドクヴィスト、リク・ニエミ
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