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2013年12月17日06:08

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雪女と石焼き芋

(夢の思い出より)

年の瀬に強烈寒波が日本国中を襲い各地で雪の被害が出始めた。


箱根の温泉地も豪雪に見舞われていた。

旅人の私は旅館からスナックに出掛けいい気分になって歩いて帰ったが、

道に迷ってしまった。

すると着物姿の妖艶な女性が近づいて来て、案内すると腕をつかみ引っ張ってくれた。


道を大きく外れ山の奥深くに来てしまった。



不安になって顔見たら、怖い顔して

さようなら!


と言って、口から吹雪をはいて消えた。

雪女だった。

全身凍りついて

諦めかけていたところ、


『石焼き芋


熱々の焼きたて


石焼き〜芋』



と屋台を引いたおじいさんがやって来た。


あんた雪女に連れてこられたんだね。

これ食べな!

と焼き芋を渡された。


熱くて中身がオレンジ色して、密がたれていてとても甘かった。


身体中がポカポカして来た。

種子島産のさつま芋だよと言った。

元気出たら送るから屋台押してくれと言われ汗だくで
雪道を押して歩いた。

旅館に着いたら、おじいさんは良かったね、さようならと言って消えた。


雪道に何故か足跡がなかった。


旅館の女将がよく無事に帰ったと喜んでくれた。


テレビから各地の遭難者が石焼き芋で助かったと放送していた。


そんな石焼き芋屋さんに


弟子入りしたいと

再会を待ちこがれていた。


その時が来た。


雪道にそれて、山奥に歩いていく二人連れを見つけ後をつけた。


着物姿の雪女が


男に口から吹雪を吹き掛けようとしていた。

やめろ!

声を発した。


雪女は私をにらみ

すごい形相で


飛んで来た。


私は荷台から

熱々の

石焼き芋を

取りだし

雪女の口に

差し込んだ。



雪女は暴れ苦しみ

溶けて消えた。


私は石焼き芋の


弟子になったのです。




合掌

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