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2013年08月07日22:34

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ねごとは寝てから言え

CDを聴いただけでは演奏の巧拙はわからない。
制作段階でいくらでも修正や加工が可能だからだ。
CDとライヴは別物という考え方は確かにあるが、だからといってライヴがCDよりはるかに劣っていていいわけがない。あまりにも違っていたら、それは欺瞞と言うものだろう。

ところで、ねごとのDVDをゲットしてきた。
ギャルバンである。キーボードを含む四人組。

蒼山幸子(あおやま・さちこ):ヴォーカル、キーボード
沙田瑞紀(ますだ・みずき):ギター
藤咲佑(ふじさき・ゆう):ベース
澤村小夜子(さわむら・さやこ):ドラムス

ニューウェーヴやオルタナティヴを消化したようなサウンドで、ストレートなロック・サウンドではなく、アート・ポップのような趣もある。
CDで聴く限り独特の浮遊感のあるサウンドを奏でる能力は高いと感じた。

http://www.negoto.com/

「ねごと」というバンド名はひらがな3文字のわかりやすい言葉ということで付けられたそうだ。なので、「けむし」や「よだれ」というのも候補になっていたらしい。それらに比べると「ねごと」ですらずいぶん真っ当に思える。
ユニークである。

さて、このDVD、初回限定盤をゲットしたのだが(発売日は今日なのでフライングゲット!)、見本(通常のDVDケース)を持っていって、レジのお姉さんがブツを持ってきたときに驚いた。デカイのだ。とてもDVDとは思えない代物…。バッグに入らない…。
思わず「でかいんですね」と言ってしまった。するとおねえさんは「はい。バンダナが入っているそうです」とにこやかにラベルを示した。「大丈夫でしょうか?」と訊かれたので、つい「やめておきます」と言いそうになってしまった。。。
帰って封を開けてみたら、真中にちんまりとバンダナとDVDケースが収まっている。それだけ大きな外装にする意味がようわからん。まあ、遊び心ということだろう。
写真の上の方に持ち手が付いているのがおわかりだろうか。つまりそのくらいデカイ(A3サイズ)。バクのバッグ仕様なのだそうだ。

内容は今年のZeppTokyoでのワンマンツアーのファイナル。
2ndアルバムからの曲を中心にしたパフォーマンス。

CDでのちょっとフワフワしたようなサウンドよりもかなりハードな印象。ギターもベースも激しく上体を動かし、かなりテンションが高い。
ヴォーカルは安定していて、CDと遜色ないグレード。
とぼけた名前のバンドだが演奏はかなりしっかりしている。もちろんそれはCDでも想像はついていたが、実際にその映像を見てみるとかなりの実力だと思う。
やはり核はリズムセクション。
ゴリゴリしたベースは迫力があるし、リード・ベースとも言えそうな存在感だ。並べたらベースの方が背が高いのではないか、というくらい小柄。しかしパワフルなベースを弾く。しかもファンキーなフレーズをビシバシ繰り出してくる。いいね。リーダーなのだそうだ。
さらに、このドラムは上手い。手数も多いし、タイトなグルーヴ感が絶妙だ。かなりの技巧派だと思う。スネアの音も良い。
で、おもしろいのがギター。普通にリフやリズムを刻むだけでなく、ちょっとしたときにおもしろいフレーズを弾く。それが妙にひねりが利いていて楽しいのだ。ねごとのほんわかした雰囲気は彼女のギターによるところが大きいのかもしれない。
キーボードは歌いながらなので、技巧的なフレーズを連発するというふうではないが、カラフルな音色のセンスが良く、意外に音数が多い。近未来的雰囲気を演出するには欠かせない。リード・ヴォーカルは彼女が取るが、声の好みは分かれるかもしれない。

というわけで、このねごとはかなり「できる」バンドであった。
楽曲もなかなか良いものが多い。

SCANDALがストレートなロックサウンドだとすれば、ねごとはちょっとひねりが利いている。
どちらもリズム・セクションが強力。
SCANDALが直球で勝負するタイプだとするなら、ねごとは多彩な変化球で勝負するタイプと言えるだろうか。
おもしろいぞ、ねごと。

実は2ndアルバムリリースした際にタワレコでねごとのメンバーに遭遇したことがある。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1891971585&owner_id=3696995
HPやメディアで紹介されている写真より実物の方が間違いなく美人だし可愛い。
ことにベースの彼女なんかホントにちっちゃくて子グマのぬいぐるみみたいだった。

なんだか今は女の子の方がロックサウンドというものをわかっているような気がするなあ。
ロックをやるということに対してのひたむきさが違うのだろうか。
いくら社会に女性が進出してきたと言っても、越えなければいけないハードルはまだまだ多いはずだ。それはロックをやるうえでも同じだろう。
根性がなければギャルバンはできないのだ。

というわけで、私はねごとを支持する。

やはりリズム・セクションがしっかりしているバンドは安定感がある。
フロントが自在に動き回れるわけで、フレキシブルなバンド・アンサンブルが構築できるのだ。
ゆえにリズム隊の大切さを私はいつも口にしているのだが、どうも注目されるのはヴォーカルやギターばかりのようで…。
なので強力なリズム隊を擁するバンドには肩入れしたくなってしまうのだ。

SCANDALは目標の大阪城ホールでのライヴを終えた後もその歩みを止めようとはしていない。
その一方で同時期にデビューしたステレオポニーは解散した。先輩のチャットモンチーは3人から2人になった。
メタル界やインディーズではギャルバンが百花繚乱の趣だが、どれも一歩抜きん出るには決め手を欠いているようだ。
一見華やかなギャルバン界だが、現実はそう甘くない。
なので、ねごとの台頭には大いに期待したい。

そうだ、今度ますみちゃんに会ったらねごとを教えてあげよう。
ねごとのベースはきっと勉強になることだろう。
とっくに知っているかもしれないが…。
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