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2013年04月30日22:17

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フランシス・ベーコン展@東京国立近代美術館

東京国立近代美術館で開催中の「フランシス・ベーコン展」に行ってきた。
この哲学者と同じ名前を持つアイルランドの画家は20世紀で最も重要な画家の一人とまで言われている。
醜悪なまでにデフォルメされた人物画で知られているが、それは人間の実存に迫るものとされる。まあ、そんな世評はともかく、強烈なインパクトの作品を残したことは間違いない。

実はたぬ〜がファンなのである。

こんな絵を好きなオンナってどうよ、と思わなくもないが、女優の中越典子が熱心なファンだという。名前に瑕が付かないかと思うが、公言しているからいいのだろう。

初めてベーコンの作品を観たのは、20年前のニューヨーク近代美術館(MOMA)展だった。代表作とされる『教皇インノケンティウス十世の肖像に基づく習作』が来ていたのだ。数ある名品の中で一際強烈だったのは間違いない。ちなみに元となった『教皇インノケンティウス十世の肖像』はヴェラスケスの作品である。
それからベーコンの絵はちらほら観るようにはなったが、まとめて観たのは今回が初めてだ。なにしろアジアでは没後(1992年)初めての回顧展ということなので、当然といえばそうだ。

私が昨年美術検定2級に合格したのはベーコンのおかげだと思っている。
配点の高い問題で『インノケンティウス』に関する問題が2問出題されたのだ。そうそう認知度が高いとは思えないベーコンに関する問題を見て「しめた」と思った。あの恐ろしいインノケンティウスの顔が天使に見えたよ。
もしこの問題を落としていたら合格はなかったろうから、ベーコンさまさまである。

まあ、凄い画家だよ。
一般的な美の概念から逸脱したものの中にも美を見出せるか、そんな命題に対する踏み絵のような作品だと思う。そもそも美の定義を覆してしまうような作品ばかりなのだ。
受け入れられない人も少なくないと思う。
しかし、一度その魔力に魅入らされると、新たな地平が広がるかもしれない。
彼の作品を観ることは、美に対する冒険、と言うこともできるような気がする。

展示作品は33点と少ないのだが、思いのほか時間がかかった。混んでいたわけでもないし、立ちつくすほどじっくり観たというふうでもなかったのだが、やはり時間を忘れて観ていたといいうことなのだろう。
土方巽、ウィリアム・フォーサイスの舞踊の映像もあり、見応えのある展覧会だった。

いやはや、ベーコンは凄いね。
右の画像は会場外に展示してあったベーコンの写真をパチリ。

http://bacon.exhn.jp/
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