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2012年08月07日22:41

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ベルリン国立美術館展@国立西洋美術館

上野の西洋美術館で開催中の「ベルリン国立美術館展」に行ってきた。

http://www.berlin2012.jp/tokyo/

もちろん目玉は初来日となるフェルメールの『真珠の首飾りの少女』である。耳飾りではなく、首飾り。耳飾りの方の世界一有名な少女には東京都美術館(マウリッツハイス美術館展)で会える。

混んでいるのを覚悟でお昼過ぎくらいに行ったのだが、思いのほか空いていた。やはりマウリッツハイスに人が流れているのか。
まあ、あの少女はフェルメールの中でも特別だから仕方がないか。
われわれも向こうを先に観に行ったしな。

こちらの『真珠の首飾りの少女』は、いつものフェルメール、といった感じの画風である。
フェルメールの描く女性は美人とは言えない。あの青いターバンの少女が例外なのである。(紛らわしいのでマウリッツハイスの少女をここでは便宜的にそう呼ぶことにする)
それだけに風俗画としてはリアルだと言えるのかもしれない。
なんにしても絵の迫力はやはりさすがだ。
真珠の首飾りが嬉しいのだろう、誇らしげな表情が印象的だ。真珠の首飾りは高価なものだったろう。そういう点ではこの女性(少女には見えない)の家は裕福なのだろう。
やはり覗き見をしているような妙な感覚。おそらくこの女性が人前でこんな姿を見せることはないだろう。秘密を覗き込んだかのような感覚。黄色い服はまるで黄金だったのではないかという色合いだった。
青いターバンの少女を観ているときのような吸い込まれるような感覚とは異なる。写実を極めるとストーリーが見えてくる。フェルメールを見るたびにそう思う。だからフェルメールの風俗画はおもしろいのだ。

クラナッハ、レンブラント、ヴェラスケスあたりはさすがである。
ヤン・ダヴィッドゾーン・ヘームの『果物、花、ワイングラスのある静物』のリアルさも凄い。あの時代の技術の高さには恐れ入る。

ほかでは彫刻作品が多く、それらがかなり充実していた。

さて、西洋美術館に来たら常設展も観なくては。
ここは一回りすると西洋美術史が俯瞰できるというなかなかのコレクションを持っている。
もっとも、足を止める作品というのは決まってしまっているのだが。
たくさんあるお気に入りの中で、いちばんはカルロ・ドルチの『悲しみの聖母』。実はこれは密かに人気らしい。
グイド・レーニの『ルクレティア』も美しい。
ブーグローの愛らしい『少女』は展示されていなかった。
ほかにも名作がたくさん。大好きなモローやミレイもある。印象派、ことにモネのコレクションが充実している。
新しい収蔵作品も展示されていて、やはりなかなかの見応えである。

ちなみに、あまり知られていないようなのだが、常設展会場では写真撮影が許されている。
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