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2012年04月20日22:23

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レ・ヴァン・フランセ@オペラシティ

今夜はオペラシティ。
件のヤロウ六人組、レ・ヴァン・フランセである。
19時ピッタリに始まって、予定通り21時10分に終演。その後アンコールで、完全に終わったのが21時半。
サイン会は長蛇の列。写真撮影は三鷹同様自由。結局オペラシティを出たのが22時過ぎ。それでもサイン会の列は終わっていなかった。。。

もう一度すごいメンバーを書いておこう。

エマニュエル・パユ(フルート)
フランソワ・ルルー(オーボエ)
ポール・メイエ(クラリネット)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)
ジルベール・オダン(バソン)
エリック・ル・サージュ(ピアノ)

01.イベール:3つの小品
02.ニールセン:木管五重奏曲
03.ティエリー・ペク:六重奏曲(委嘱作品、日本初演)
<休憩>
04.プーランク:オーボエ、バソンとピアノのための三重奏曲
05.ミヨー:ピアノ、フルート、オーボエとクラリネットのためのソナタ 作品47
06.プーランク:六重奏曲
<アンコール>
07.ルーセル:ディヴェルティスマン
08.テュイレ:六重奏曲より、ガヴォット

一昨日の三鷹と比べると、タファネルとツェムリンスキーの代わりに、イベールとニールセンが組み込まれている。あとはプーランクの三重奏曲とミヨーのソナタが後半になっている。なんとなくこの2曲は前半にあった方がプログラム全体の据わりがよかったように思うが、まあ気にするほどのことでもあるまい。

一昨日よりは冷静に聴けたとは思うのだが、やはりすごいなあと感心してしまう。
達人の技である。

イベールの小品は木管五重奏のためのもの。アルバムでも冒頭に収められている。
短いながらも充実した作品だ。

今日のお目当てのニールセン。
私はこのシベリウスと同年生まれのデンマークの作曲家が大好きである。
代表作のシンフォニーの印象からシリアスで重厚で先鋭的で晦渋な作品を書く人と思われがちだが、実はこんなに楽しい曲を書いている。
どこかとぼけたようで、のどかで、陽気なのだが、ときとして深刻ぶる。それでも刺激的な響きに溢れているところがニールセンらしいところか。
最後の変奏曲はメンバーそれぞれがフィーチャーされ、存分にその妙技を堪能できる。ニールセン、上手いこと書いたなあ。
第2楽章の終盤から第3楽章の初めの部分までオーボエをコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)に持ち替えるところがある。

レ・ヴァン・フランセのために書かれたティエリー・ペクの新作。
聴くのが二度目ならもう馴染みの曲である。
聴きやすいタイプの現代曲。後半のたたみかけるような展開が見事。
こういう新作がもっと増えてくればいいと思う。

休憩を挟んでプーランクとミヨー。
プーランクの三重奏曲はいい曲だ。ルルーとオダンの音色の融合も見事。そんなに長い曲ではないが聴き応えがある。
一方ミヨーは一昨日よりも楽しく聴けた。この人の曲はとっつきが良くないんだな。慣れてくるとおもしろい。それはこの人のシンフォニーも同じだったことを思い出す。
パユ、ルルー、メイエが個性の塊というような競演を聴かせる。それをル・サージュが「まったくしょうがねえなあ」という調子で上手くまとめるという印象。ル・サージュも大変だな。それだけメンバーからの信頼が厚いということなのだろう。いいピアノだ。
しかし、この管三人はすごいな。この三人が同じステージで演奏しているということ自体鳥肌ものだろう。

最後はお馴染みプーランクの六重奏曲。
文句なしの名曲。
精密かつスリリングなアンサンブルが十分に楽しめる。ヴラトコヴィチのホルンがいいね。
場面転換が激しく、まさに全編ヴィルトゥオジティが炸裂。
強烈に楽しい。しかもプーランクらしいビターかつスウィートな情感にも事欠かない。

なんでもないような顔をして大仕事をやってのける。
そんな連中だ。

本当に素敵なコンサートだった。
六人のイケてるオッサンたちに拍手。

サイン会は長蛇の列。女性が多い。
相変わらずフルートケースを持った若い人も多い。パユ様目当てがいちばん多いのだろうか。
みんな気さくにサインや写真撮影に応じている。意外なほどルルーはユーモラスな人だった。
メイエはカッコよすぎ…。
あはは、全員に握手してもらったぞ、と。

秋に開かれるパユのリサイタルに行っちゃおうかな、なんてことを思い始めている。

ああ、やっぱり音楽っていいな、そんなことを改めて感じさせてくれたグループだった。
また来てくれよな。楽しみに待ってるよ。
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