駅弁大会、その３

会期始まって最初の週末。
相当混むであろうことは予想していた。人が多くなればそれだけ不逞の輩も多くなる。勝手気ままな振る舞いは、むしろ年配の人に多いようだ。

今日は輸送駅弁にターゲットを絞る。
ちょっと説明しておくと、駅弁大会には「実演」と「輸送」の販売パターンがある。
実演はその名の通り、専用のブースを設け、そこで業者が弁当を作る。半分以上は常連と言うべきブランドで、たいていはさすがと思わせるレベルである。人気ブランドは長蛇の列になる。
一方の輸送というのは、全国から交通機関を利用して現地から輸送されてくるものである。規模の小さな弁当屋さんでは長く出張って来れない、という事情もある。輸送専用のスペースが設けられ、地域ごとに並べられているのだが、駅弁大会で売られる駅弁の種類のほとんどがこの輸送ものということになる。この輸送スペースに入るのにもそれなりの時間並ばなければならない。
実演と違って中身が見えない。チラシに掲載されているのはごく一部。馴染みのものはともかく、あとはカンである。よって当たり外れが激しい。それもまた一興。とはいえ、馴染みの美味いものを確保しておき、全敗だけは阻止しておきたいところである。

では、まずは昼から。今日は京王の屋上で。寒かったぞ、と。

「あさりめし」、佐賀県
　　
ぷっくりとしたあさりがいっぱい。これだけで幸せになる。柔らかくて味わい深い。山菜やひじきの入った炊き込みご飯も品の良い味。厚めの錦糸玉子は甘くなくていい感じ。これは意外に実力派である。ボリューム感もなかなかだ。

「たらばしゅうまい御辨當」、北海道
　　
たぬ〜が狙っていた一品。見た目は地味である。しかし、しゅうまいは美味い。たらばはよくわからんが、魚介系の旨みだ。ご飯がもう少し多いと嬉しいかな。シイタケやニンジンやタケノコの煮物も薄味で美味い。いい仕事をしている。

「姫路おでん風弁当」、兵庫県
　　
　
これのみ実演。コミュで持ち運びに難あり、とのコメントがあったので、昼用にゲット。
ご当地グルメ企画で、姫路のおでんはしょうが醤油風味なのだそうだ。なので、しょうがの効いたあんがかかっている。大根、つくね、こんにゃく、昆布、うずら、もち巾着、しいたけ、しゅうまいのようなもの、といったものが入っている。
これは美味い。
しょうがもきつくなくいい風味だ。一風変わってはいるが、味はしっかりしている。
ただ、確かに持ち運びには適さないようだ。タレがこぼれてしまうらしい。そのあたりは改善の余地ありか。

次からは夕飯用。。。

「うなたまチャーハン」、長野県
　　
駅弁にチャーハンはないだろう、と思うのだが、チャーハン好きのたぬ〜にとっては試さないわけにはいかないらしい。
ハズレ弁当なのでは、というのは杞憂だった。ご飯は油っこくないのだが、チャーハンかというと、なんとなくそうなのかな、と思う程度。油断していると炊き込みご飯と変わらないように思う。
ウナギと一緒に食べると「すごく美味い」と思える瞬間がある。ウナギと合わせることを前提に味を計算しているのだとしたらたいしたものだと思う。

「日本海ハタハタすめし」、秋田県
　　
私はハタハタという魚が好きである。
そのハタハタが３尾というのは豪儀だと思う。問題なく骨ごと食べられるが、ごそっぱいのが苦手な人にはちょっとキツイかもしれない。ご飯の酢もきつくなく、とんぶりなんかも乗っていていい感じだ。ただ、食べる人を選ぶ弁当なのかなあ、という気もする。
難点はご飯に紅ショウガが乗っていること。紅ショウガが嫌いなわけではないが、ご飯に香りが移ってしまうのはマイナスである。

「えび千両ちらし」、新潟県
　　
　　
失礼な言い方だが、隠れ名弁。地味な豪華弁当とも言える。
たぬ〜が大ファンである。
一面に敷き詰められた玉子焼き。
その玉子をはがしていくと、ウナギ・エビ・コハダ・イカが姿を現す。刻んだカンピョウの入った酢飯の上にはおぼろ昆布が敷いてある。
とにかく全ての塩梅が良い。これは最高クラスの駅弁と言えよう。

「阿蘇赤うし」、熊本県
　　
「鮎屋三代」「天草大王」の名駅弁で知られるより藤さんの第三の駅弁(？)。
阿蘇育ちののんびりした赤うしを使っているのだそうだ。
醤油ベースのソテーと甘辛煮の２種類の味が楽しめる。甘辛煮はよくある甘めのものではなく、醤油の効いた独特の風味である。
３年ぶりに食べたが、やっぱり美味いね。さすがだ。

というわけで、今日の駅弁。。。

・北海道、根室本線／釧路、たらばしゅうまい御辨當
・秋田県、奥羽本線／秋田、日本海ハタハタすめし
・新潟県、信越本線／新潟、えび千両ちらし
・長野県、中央本線／茅野、うなたまチャーハン
・兵庫県、山陽本線／姫路、姫路おでん風弁当
・佐賀県、鹿児島本線／鳥栖、あさりめし
・熊本県、九州新幹線／新八代、阿蘇赤うし