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2010年06月12日22:57

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ロシアの妖精のベートーヴェン

ロシアの妖精アリーナ・イブラギモヴァは注目のヴァイオリニストだ。
美人だろうがチャーミングだろうが、そんなのはどうでもいい(いや、どうでもよくはないのだが…)。とにかく音が素晴らしい。単に透き通っているというのではなく、弦を弓で擦っているというのがしっかり感じられるのだ。20代半ばにして、すでに大物感が漂っている。世界は広いなあ、と感じる反面、日本ではほとんど知られていないことに理不尽なものを感じる。日本に紹介されている海外の演奏家にはずいぶん偏りがあるようだ。まあ、デビュー盤から立て続けに3枚、二十世紀音楽が続いたから仕方がないか…。

さて、そのイブラギモヴァの新譜がリリースされた。
今回はベートーヴェンのソナタ集の第1弾。ロンドンにある有名なウィグモア・ホールでのライヴ録音で、いずれは全曲リリースされるらしい。
ピアノはセドリック・ティベルギアン。シマノフスキの録音にも付き合っていたので、気心が知れているのかもしれない。

実はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタはほとんど聴いたことがない。まともに聴いたことがあるのは『春』と『クロイツェル』くらいだと思う。
今回収録されているのは、1番、4番、8番、7番(収録順)。
たぶん初めて聴く曲ばかりだ。それでも7番なんかは初めて聴いたような気がしないので、どこかで聴いたことがあるのかもしれない。
どの曲もなかなかいいではないか。特に4番が気に入った。

ロシアの妖精のおかげだろうか。
いい音だ。歌心に溢れているし、技巧的にも瑕がない。ヴィブラートは抑えめ。清潔感の漂う美しい音色で、そこはかとない色気が魅力的だ。
いい音だなあと思っていると、自然に曲に引き込まれていく。
ティベルギアンも澄んだ音色とキレのあるタッチで見事に好演。
ライヴならではのドライヴ感も心地いい。拍手はなくてもいいと思うが、あってもいいか。。。

というわけで、ベートーヴェン再発見。

イブラギモヴァというと、前作のバッハが驚天動地の快演だった。ノン・ヴィブラートで奏でられた無伴奏全曲。凛としつつも暖かなバッハだった。
ゆえに、ベートーヴェンがどのようなものになるか、ある程度想像はついていたと言える。それでも、やはり素晴らしいと思った。このアルバムを聴いていると、ほっこりと幸せな気分になれる。
第2弾が楽しみだ。

今回はハッキリと顔のわかるジャケット。
若い頃のミシェル・ファイファーにちょっと似ているかな。
ティベルギアンはちょいワルな感じ?
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