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2009年10月10日02:33

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ジンケンのコンキョ

コーカツ君「しかし、何だね。最近、人権、人権ってうるさい奴が多くて、しゃくに障るね。」

チンシ君「今日は人権かい。何がそんなにしゃくに触るんだい?」

コーカツ君「権利ばかり主張されても困るんだよ。権利には義務が伴うっていうことを知らん奴が多すぎる。」

チンシ君「人権を叫ぶ人が義務を無視しているわけじゃないと思うがね。大体、人権の意味が広がっていけば、それを尊重する義務も広がるわけだから、人権の拡大=義務の拡大でもあるわけさ。」

コーカツ君「それが困るんだよ。人権を口実に人のやることなすことに口を挟みたがる輩が増えてさ。人権というのは自由にとって害悪なのさ。」

チンシ君「さっきと言っていることが違うね。今度は義務が増えすぎるから人権はダメなのかい。」

コーカツ君「いや、ボクが言いたいのは、権利だろうが義務だろうが、勝手にどこかでつくられたものを押し付けられたらたまらんということさ。」

チンシ君「でも、人権というのは普遍的なものだぜ。人間として生まれたからにはその権利を持つというのが人権だからね。」

コーカツ君「ほら、それがいけない。そもそも、そんなものは西洋の耶蘇教徒の信仰さ。神様がつくった自然法なんて、八百万の神々の住む日本には縁もゆかりもない話だ。」

チンシ君「でも、今じゃ世界人権宣言や国際人権規約があって、国際法にも取り込まれているぜ。」

コーカツ君「そんなものは戦争に勝った者が押し付けただけさ。我々は一度でもそんなものに投票したことはないからね。」

チンシ君「外国が起源のものはすべて日本人には縁もゆかりもないというなら、我々は多くのことを捨てないとならなくなるぜ。ニュートンやアインシュタインの説が外国人に手によるものだからって、日本に通用しないという道理はないだろう。」

コーカツ君「それは科学だよ。人権というのは宗教なんだよ。そんなものは日本にはなかった。西洋にだって昔はなかったじゃないか。」

チンシ君「いや、昔からあったんだけど、我々の知恵が及ばずにそれに気がつかなかったのさ。たまたま西洋の人々がその存在に早く気がついたというだけさ。」

コーカツ君「何をもって人権が昔から存在していたなんて言えるんだい。誰も気がつかないものが存在できるのかい?」

チンシ君「できるさ。我々の目にとまらない石ころだって存在しているし、恐竜だって人類が現れる以前に地球上を徘徊していただろ。」

コーカツ君「君は人権が石ころとか恐竜と同じようなものと考えているのかい?」

チンシ君「全く同じとは言えないさ。でも、存在しているという意味じゃ人類が生まれた時から存在しているはずだよ。だって、定義上、人権というのは人間が生まれ持った権利なんだから。」

コーカツ君「ただ存在したはずだって言われて、はい、そうですか、って納得できないよ。コンキョを示してくれたまえ、コンキョを。」

チンシ君「人権がないと困る人がたくさんいるだろう。君だってその恩恵にあずかっているんだぜ。」

コーカツ君「誰もそんなことを頼んだ覚えはないぜ。そもそも、ないと困るから存在するはずだというのは希望的観測に過ぎないよ。もっとしっかりしたコンキョを示してくれないと。」

チンシ君「それはコンキョを必要としないものなんだよ。だって人権なんだからね。1+1=2であるのに根拠は要らないだろ。人間が生まれもつ権利が人権。これほど明快な答えがあるかね?」

コーカツ君「誰がその権利を決めるんだね?」

チンシ君「それは専門家さ。法律とか人権の本をたくさん読んでいる人さ。」

コーカツ君「その人たちが読む本は誰が書いたのさ?」

チンシ君「君もしつこいね。粘着質だね。1+1=2を誰が決めたのかなんて問う人はいないだろ。世界人権宣言や国際人権規約を繰り返し読んで、ふーん、そういうことかって思っていればいいのさ。」

コーカツ君「それはおかしいんじゃないか。1+1=2というのは数学が成立つために不可欠の前提だけど、人権がなくても社会は存在してきたし、これからも存在できるぜ。」

チンシ君「その社会でどれだけの人権侵害が行われたと思っているんだい?」

コーカツ君「人権がなければ、人権侵害もないさ。すべてはまるく収まるわけだ。」

チンシ君「それは言葉遊びだよ。『人権』という言葉がなくても、人権を侵害する行為は存在するんだよ。宗教裁判とか政治的迫害とか。君だって、旧ユーゴスラビアやルワンダの虐殺なんかを見て、何とかしないとって思うだろ。」

コーカツ君「それは人権とは別の問題だよ。理由もなしに人を殺したり人のものを盗んだりすることは昔からいけないことってなっている。」

チンシ君「それは何故だと思うね?」

コーカツ君「何故って、いけないからいけないのさ。理由なんかあるかい。」

チンシ君「ほら、君だって同じことを言っている。理由なんてないのさ。」

コーカツ君「わかった、わかった。そんなことを許すと社会が成立たないからさ。」

チンシ君「でも、君は人権がなくても社会は成立つって言ったじゃないか。」

コーカツ君「殺すなかれ盗むなかれっていうのは人権じゃないのさ。人の道だよ。常識だよ。」

チンシ君「それも言葉遊びだね。『人権』って言いたくないのならば『人の道』でも『常識』でもいいけど、要はその中身じゃないか。」

コーカツ君「そうさ。でも、西洋人が言うところの『人権』と日本人の『常識』には大きな違いがあるのさ。例えば、死刑に対する考え方とか。」

チンシ君「別に西洋人がすべて死刑に反対しているわけじゃないし、日本人がすべて死刑賛成論者というわけでもないぜ。」

コーカツ君「じゃあ、なんで日本のやることなすことに口を挟みたがるんだい。自国の国民さえ納得できないことを他国に押し付けようとするんだい。」

チンシ君「それは、平均的に日本人の人権意識が低いからさ。」

コーカツ君「我が国を貶めるのもいい加減にしたまえ、君。人権なんていうのは耶蘇教徒とユダヤ人の陰謀だよ。ねつ造だよ。そんなものは存在しない。」

チンシ君「いや、存在する。君の知性がそれに追付いていないだけさ。」

コーカツ君「ああ、だから人権屋っていうのはしゃくに障るんだ。先生、さっきから黙ってばかりですが、何かおっしゃってください。」

コリアン先生「サルスベリの花がきれいに咲いたね。」
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