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2009年02月14日18:21

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CHE

キューバ革命50周年記念としても話題を呼んでいる2部作を観て来た。

「チェ28歳の革命」

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「チェ39歳別れの手紙」

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<http://che.gyao.jp/>(「チェ28歳の革命|チェ39歳別れの手紙」公式サイト)

Part1は、チェがゲリラ戦、キューバ革命が完成するまでの活躍の場面ばかりが目立って、チェの人間性が感じられず少々、期待外れだった。
きっとPart2でメッセージ性が含まれているのだろうと期待して観たPart2。
自分的にはPart1よりずっとPart2の方が印象的だった。
キューバ革命後、ボリビアでのゲリラ戦での様子をチェの「ボリビアでの日記」を基に史実に忠実に描かれていた。
予告編のキャッチフレーズ「追体験する」通り、来る日も来る日もゲリラ戦の様子を地味にカメラで追っていく。いつ自分の身に何が起こるか分からない緊迫感が伝わり、観ていてハラハラさせられる。
最後に収容所で射殺されて遺体が運ばれ、エンディングシーンとなる。
エンディンクレジットでは、BGMを流さない。真っ暗な画面に浮かぶキャストとスタッフの名前を見つめ続けるだけだ。監督の想いが伝わってくるようだ。チェ・ゲバラを崇拝している人、興味を抱いている人にとっては、彼の最後の日々を追体験してしまった訳だからかなり辛い。外国人であった彼が自由と平等を求める国の為に命を捧げ、いかなる情勢になろうともその信念を捨てる事のない・・・その人間性。祖国に残した家族を想いながらもあっけなく射殺される。観客は暫く静けさの中で気持ちを整理する必要があるだろう。

「一体何がこの人を革命家として死と背中合わせで生きる人生へと情熱を掻き立てたのか?」と映画公開前から非常に気になる人物の一人であった。

数年前に観た「モーターサイクルダイアリーズ」
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<http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/m_cycle_diaries/index.shtml>
(「モーターサイクルダイアリーズ」公式サイト)

チェ・ゲバラがブエノスアイレス大学で医者を目指して就学中、友人とおんぼろバイクで南米大陸縦断した時の彼の旅行記を基に映画化した作品。この旅の中で、彼は貧困に苦しむ人々の生活を目の当たりに見て、革命家への人生を選ぶきっかけとなったと言う。最近BSハイビジョンで放送されていたので見直した。今回の2部作を観賞する助けとなった。

幼少の頃から酷い喘息持ちで、学生時代もラグビー等の激しいスポーツをして酸素吸入器を使っては、フィールドに戻っていくというエピソードがある。危険を顧みず、自分の興味のある事に関しては、一途に情熱を傾ける気性であったのだろう。

私達は、今日のご飯を食べるために生きている。家族の幸せを願って生きている。これは人間として当然の姿・・・。チェ・ゲバラの世界平和への強い信念が存在したのは、見つめる視野が違ったのだろう。家族を含め、祖国、そして世界へと。
「日々の生活に追われて〜。」と言い訳しながら自分を取り巻く小さな世界でぬるま湯に浸かった様な生活を過ごす自分が改めてちっぽけに見える。もっと関心事が自分の住んでいる地域社会、国、世界へと向いていくと、日常の些細な事に不平不満など愚痴っている暇はないのだろう。

先日、NHK教育のETV特集で「キューバ革命50年の真実〜米国人ジャーナリストが記録したカストロ政権〜」を録画して見た。

<http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html> (ETV特集)

キューバ革命50年後の今も経済格差が存在し、海外亡命を夢見る人が後を絶たないと言う。最後に米国人ジャーナリストが海外に移住した母親の仕送りで生活している青年にインタビューをする。
「キューバ革命50周年をどう思う?」
「自分にとってキューバは自分の生まれた国ってだけで何も変わらない。50周年という記念すべき年だといっても何も思わない。自分は早く海外にいる母親の所に行って、世界中を旅するのが夢さ。」と堂々と答える。
キューバの青少年達にも今でもチェ・ゲバラは南米の革命家ヒーローであって、「自分もチェのようになりたい。」と尊敬する少年達も多い。その反面、自分の利益だけ求めて愛国心も無く、楽な人生を選ぶ若者も多い事も事実であろう。

この「チェ」2部作は、ゲリラ戦の描写が多く地味な展開なので、チェ・ゲバラに興味のない方には、残念ながら退屈に映るかもしれない。
でもなるべく多くの方に見てもらい、特に若い方の士気を鼓舞する結果となればこの映画は成功したと信じたい。

チェ・ゲバラは坂本竜馬を偉大な革命家として尊敬していたらしい。

自分を守る事を優先して横並びになる受け身の生き方はしたくない。自分にできる事から始めたい。10年後、30年後を見据えて今自分がすべき事に集中する事が私の今年の改革。2009年を迎えて1ヶ月半の間に、既に私の「改革」の決意を揺るがす様な「美味しい」話が何度かあった。最後の最後まで格闘して、「改革」の道から外れずにすんでいる。
グッドタイミングで「チェ」2部作と出会えて良かった。私にもチェの一万分の一でもいいから「強き信念」が持てます様に。

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