mixiユーザー(id:4941862)

2019年03月17日22:00

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映画「小さな独裁者」☆

2019年3月16日(劇場鑑賞)

権力を「制服」という借り物な着物で表現したことで、裸の王様のような物語を作った監督の着想と脅威の実話に感嘆した。
しかしながら、脱走兵が脱走兵かと聞かれた際に、「部隊とはぐれただけ」と必ず主張するため天丼ギャグのようだった。
また、「総統直々の命令」と言うと今まで高圧的だった指揮官達の態度が軟化する姿を観ると、独裁的な政治体制というのは硬直しやすいものだと感じました。

物語は、第二次世界大戦末期に起きた実話で、ある脱走兵が大尉の制服を着て特別部隊を勝手に編成し、自暴自棄な行動をする様を描いています。

観終わったあと気づいたことですが、映画冒頭に主人公を追い回していた上官は物語中盤で再会しており、そのことを主人公は気づくのですが、相手は「どこかで会いました?」みたいな態度で結局気づかれなかった。
変装をしている訳ではないのに、制服の力で別人になったことを象徴するシーンだった。

エンドクレジットで、現代の街で傍若無人に一般市民からモノを取り上げたり、脅したりしているように見える演出があるのですが、正直あれはやりすぎだと思いました。

それはそうと、最初は飢えて農家の鳥小屋から卵を盗んでいた主人公が、最後にはホテルでパンと肉、ワインやシャンパンに囲まれ、砂糖をワインに入れて飲むという豪華な暮らしを実現している様子を描いており、権力を発揮することで(主人公周りの)食料事情が良くなる。
つまり、主人公が絶対悪ではなく食うに困ってしかたなくやっているように見えなくも無い。

実際、即刻処刑を主張する主人公に対して(収容者を)司法的手続きを経て対応すべきだと主張する収容所の所長も、(直接描写は無いが)収容している父親に対する差し入れの交換条件に娘を犯す下種野郎として描かれている。

昔の話と思いきや、現代に通じる権力の構造を鋭く描いていると感じたので、お勧めです。


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