2018年4月14日(劇場鑑賞)
この映画の題名は、正直ハッタリで原題の「ダークネスアワー」=最も苦しい時期の方が内容をよく表している。
物語は、第二次世界大戦初期、ドイツ軍快進撃でフランスのダンケルクに追い詰められたイギリス軍への対応を軸に戦争継続か和平交渉か、国家の方針を巡る政治劇を描いた作品です。
リリー・ジェームズの可愛さとチャーチルのそっくりさん(ゲイリー・オールドマン)が見所の全てという、本当に地味でこじんまりとした映画でした。
まず、辻一弘氏による特殊メイクは誰もが認めるであろう完成度で、もちろん実物のチャーチル首相を見たことがある訳では無いが、映像の20世紀とか社会科の教科書に載ってるような写真そのままの姿を観ることができます。
また、チャーチル首相=ブルドックな凶暴イメージがあるけど、猫を飼っている姿に一気に感情移入したのと、朝昼晩とトイレの中までお酒を手放さないアル中なところも評価高いです。
そして、L・ジェームズは可愛い。シンデレラを演じる位の可愛さを備えているので、どんな地味な格好をしていても、画面の端っこに映っているだけでも目を引くという特性があります。※何度も言うけど、可愛い。
この映画の劇中、野党や与党内の政敵からずっと和平を結ぶかよう激論(脅迫)を受けるのですが、日本が東日本大震災でしんどかった時の対応(当時野党の自民党は協力を拒否)と比べると、(当時のイギリスの与野党の)国を思う気持ちの熱量はどちらの側も高いと感心しました。
ちなみに、戦時中の日本は翼賛選挙という反体制派を排除する形で、挙国一致体制を構築したので、イギリスの民主主義がいかに優れているかがうかがえます。
ラストの展開は、演出はうまくなかったけど気持ちはとても揚がります。
※そもそも実際の名演説を聴けるため当然と言えば当然。
なぜ、演出は上手くないと感じたかと言うと、みんなに和平交渉しろと脅迫されて心がほぼ折れた状態から、地下鉄に乗り民衆の声を聴いて「民衆の支持は自分にある!」と確信し、議会に乗り込み徹底抗戦するという大演説をするという流れですが、民衆の声とか聴かなくても、その前のシーンでイギリス国王の支持(私はイギリスからカナダへ亡命はしない)との言質を得ており、私には十分な動機を得たと感じたため、民衆の声を聴くという行為が蛇足に映ってしまいました。
この映画は歴史の一ページをイギリス首相の立場から切り取った作品で、昨年公開された映画「ダンケルク」、映画「英国王のスピーチ」を補完的に観たうえで鑑賞するのがお勧めです。
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