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2017年10月09日22:56

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映画「ドリーム」☆☆☆

エイリアン:コヴェナントの後に本作を観たため、この人達の頑張りも後の世には役立たなかったのか…と、この映画の感動に水を差されたのは残念でした。

物語は、米ソ対立の真っただ中、ソ連より先に宇宙を制するためNASAはとても頑張っていたが、ソ連の後手を踏むばかり。
そんな中、差別に負けず運命を切り開こうと奮闘する黒人女性達に対してNASAは徐々に注目するという話です。

全体の印象は、普通に良くできた脚本、良い配役、抜群の演出と三拍子揃った優等生タイプの映画でした。

「アカ」とか「ホワイト専用」、「ニグロ」など今どき中々お目にかかれない香ばしい匂いのする単語が普通に飛び交っていた60年代アメリカの雰囲気が良く演出されていてスゴイと思いました。
特に、オクタヴィア・スペンサーとキルスティン・ダンストがトイレで会話する場面など秀逸で、白人が鏡に向かって「別に貴方に厳しく言ってる訳では無いの、誤解しないで。私は差別主義者じゃないの、規則に従っているだけなんだから。」的な事を言うと、黒人が白人を見据えて、「その思い込みは立派ね。」と切り返します。
女怖い…ではなくて、差別の本質を深くえぐった優れた演出だと感動しました。

それから、物語中盤で黒人の乗ったバスが白人に襲撃されたというニュースをテレビで観る場面、メアリー(ジャネール・モネイ)は子供に見てはいけませんと言い、旦那は現実を見せなければいけないと言います。
この後で、旦那は抗議活動を行い、メアリーは白人専用高校に通う権利を裁判所から勝ち取ります。
この映画全体に通底したメッセージを端的に表している場面で、女性は理性的で男性は暴力的という馬鹿でも分かる単純なメッセージではなく、(黒人に対する)差別や(女性に対する)偏見に打ち勝つためには、「人一倍の情熱」と「誰にも負けない成果」を出すことが必要という、全ての働く人が共感できるメッセージを分かりやすく教えてもらったようでした。

恥ずかしながら、物語序盤の「トイレが無い」からの800mダッシュして有色人種用トイレ駆け込みパートで、俺ならこの会社辞めるなって考えていた自分が居たことを強く恥じます。

それはそうと、職場の鬼上司ケビン・コスナーの「肌の色は違うけど、おしっこの色は一緒だぜ!!」にはシビレました。
それから、NASAと海軍のお偉方との会議で、着陸ポットの回収ポイントを主人公キャサリンが計算で素早くその場で答えを導いて、女性は重要な会議に出れないという不文律を打破したところなんかも痛快でした。

差別とか偏見を扱う映画だと、もうちょっと暴力的なモノ(例:ミシシッピーバーニング、GIジェーンなど)を想像しがちですが、本作は軽い口当たりでそれでいて深く考えさせるという優れた作品でした。









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