昨年は行かれなかったので、2年ぶりにNHK放送技術研究所に出かけた。
2023年は目新しさはなかったので、やや期待外れという感じであった。
今回2年ぶりという事で、少しは内容に進歩があるだろうと期待して行ったのだが、予想通り進歩があった。
この感じならば、2年毎に行くと丁度良く新鮮な感じで見られるだろうと思えた。
残念なのは昼食場として公開していた食堂スペースが立ち入り禁止になった事で、休憩場所はホールの椅子のみとなった。
この2年間で進化したのは「生成AI」である。
聴覚障碍者向けの野球中継字幕システムは、今までならばオペレータが画面を見ながら単語を入力していたのだが、AIにより画像から判断して単語の生成を行うまでに進化していた。
手話AIの進歩も著しく、ついに左右の腕が別動作するようになっていた。
また、今までは公開エリアの最終版で「研究中」の位置づけだったのだが、序盤のメイン展示に昇格していた。
https://www.nhk.or.jp/strl/open2025/tenji/2/index.html
序盤ではARと触覚と嗅覚で体験する3Dコンテンツのコーナーがあった。
ARは文化庁メディア芸術祭の時から何度も装着してきたので今さらな感じで期待していなかったのだが、デバイス自体が進化していた。
以前はゴーグルスタイルで、とにかく重たい物という感じだったのだが、メガネフレームのサイズにまで軽量化されていた。
なお音声も骨伝導デバイス利用に変更しており、違和感が大分軽減された。
「触覚と嗅覚で体験する3Dコンテンツ」は初体験となる。
触覚は振動および熱(熱い・冷たい)である。嗅覚は匂いそのものである。
嗅覚に関しては、ドギツイ匂いで過剰というしかなく、実用化されると吐き気がしそうな代物であった。
間違えても映画館の中での普及はしないでもらいたい。
https://www.nhk.or.jp/strl/open2025/tenji/1/index.html
今回の展示は子供向けが少なく、完全に大人向け。
またデバイス展示が多く、普段私が行くような展示会に近いものがあった。
「湾曲イメージセンサ」「曲面ディスプレイ」といった表示デバイス関連
没投入できるメディア体験「30K360度カメラ」「イマーシブコンテンツ」「ボリュメトリック音声製作技術」といったところである。
その中にあった「体感! できるかな2030」というブースは独特であった。
https://www.nhk.or.jp/strl/open2025/tenji/t1/index.html
CGのゴン太くんというのもインパクトがあったのだが、ヘッドマウントディスプレーと立体音響というのも強烈である。
今回のために音楽は全面作り直しというのも凝り過ぎである。
なお、昨年も展示していたらしい。
https://keita-brasil.themedia.jp/posts/56920511/
NHK技術の活用と実用化開発コーナーも興味深いものがあった。
https://www.nhk.or.jp/strl/open2025/tenji/n3/index.html
「ネットワーク技術を活用した3次元映像コンテンツ」として提示されたのが、3Dディスプレイ上に表示された「北アルプス山岳レース中継」というダミーのレース競技である。
上高地をベースとして槍ヶ岳、奥穂高岳、西穂高岳の山頂レースを模していた。
当然、奥穂高岳〜西穂高岳間のジャンダルムもコースである。
ブースにいる人に話を聞いてみると、私のような山屋が立ち止まる率が異常に高かったらしい。
明らかに狙い過ぎのコンテンツで、「分かっている人が作ったもの」である。
隣には「AI音声合成技術による古文や短歌・俳句の読み上げ」があった。
AI音声が違和感なく、古文・短歌・俳句を詠んでいる。
ベース音声はアナウンサーらしい(学習時間11時間)で、新たに詠むためのAI教育は15分程らしい。
技研の中には4時間丸々見学していた事になった。
昨日5/31は天気が雨だったこともあり来場者が少なく、ブースの大混雑が避けられたため、思う存分楽しめる内容になっていた。
-----
写真: ARグラス, ネットワーク技術を活用した3次元映像コンテンツ(北アルプス山岳レース中継), 肉足袋
ログインしてコメントを確認・投稿する