2024年12月14日劇場鑑賞
自閉症の人が危機に陥ったときに何が起こるか、自分の言葉で言えば「頭の中の戦争のようなもの」であることも非常に印象的に示されました。
「彼はいつもエレベーターに乗ります。」
サッカーファンとして普通の人にどう思われているのか考えさせられる。
ドイツのサッカー人気とラトビアのスタジアムのトイレ環境の悪さに驚かされました。
物語は、自閉症の子供が一念発起週末に推しのサッカークラブを探す旅に出るという話です。
自閉症の特性をこんなに分かりやすく説明してくれる映画とは思わなかった。
自閉症の子供は、人間というよりはマシーンでルールが絶対だということ、記憶力とか専門的な知識(この場合は宇宙)は常人の比ではないこと、自分と他者の間に壁、どころか異星人または異種という位の感覚で接していることなどが懇切丁寧に説明されます。
特に、エレベーターの上げ下げを延々するシーンは、興味を持ったことに対する執着と自閉症の子供が感じる世界観を視覚的に現わしていてとても良かったです。
また、兄妹(赤子)に対して食べ物をこぼしたことを罵るシーンは正直ドン引きでしたが自閉症の子供にとってルールは絶対であり、守れない人が悪いという勧善懲悪的な発想になるのだと理解させる良いシーンでした。
それと、どこかの研究所の教授と面会するシーンがクライマックス前にあるのですが、自閉症の子供が大人の目を丸くさせるほどの知識を披露するので観客も驚きました。
親が主人公を持て余して、「私たちというバリアーが無くなったらあの子はどうなるだろうか。」と心配するシーンは子を思う親の気持ちを吐露する良いシーンでした。
それに対して、子供の方が、「言わなくても親を愛している。」と今までの主人公の発言からは信じられない詞的な言葉に出すところに人間味というか社会性を学び始めたのかなって思わせる希望に満ちた終わり方なのも良かったです。
当方サッカーを日常的にスタジアムまで観に行く生活スタイルなため、普通に興味ない人からするとこんな危ない場所なのかなって思われているのかなと思うほど、ドイツのサッカー観戦は過酷な戦場でした。
というか各クラブともキックオフ前に唄を熱唱するのが文化みたいで、うちにはない文化のためその辺りちょっと違和感がありました。
なお、バイエルンミュンヘンの「永遠に一番!」みたいなやつは正直恥ずかしい歌詞だと思いました。
クライマックスのカップ戦決勝に行けなかった件、子供の成長を喜ぶ半面、サッカーファンとしてはせっかくの決勝戦を行かずに4部クラブの試合観に行かなければならない父親の心境は察して余りあるものであり、ドルトムントサポの母親と爺さんが嬉々としてお父さんに対してお前が面倒見るんだろと切り捨てる姿はサポーター心理として正しい描写だと感じました。
重たいテーマですが、サッカーファンでなくても観やすく描かれているため、お勧めです。
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