mixiユーザー(id:4941862)

2023年05月22日20:22

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映画「TAR/ター」☆

2023年5月20日劇場鑑賞

難しい映画で正直映像作品としては詰まらなかったけど、権力がどんなものか感じ取れるだけの情熱はあったと思う。この映画は監督の作家性というより観客側の感受性を問うような印象を受けました。

物語は、権力者の生き様というより落ちぶれる末路を描く。

まず、158分も延々権力者が権力にしがみつく様を見せられて権力の本質を感じてくれなんて監督のぶっ飛んだ発想に正直ついていけなかったです。
しかしながら、権力というものが如何に権力者を裸の王様にして世間の発想とずれていき最終的にはポイされるかという平家物語で言うところの、「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。」という理を解くという意味で、少しなりとも社会性があれば大なり小なり感じるものがあるのかなと考えます。

多分感受性がもっと豊かなら色々なメッセージを受け取れたのでしょうが、私の解釈は以下の通りです。
主人公はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団における女性初の首席指揮者の地位に上り詰めたが、その過程で楽団の有力者(現妻)と寝て情報を聴き出していた。その反動なのか生来の性癖だったのか主人公は主席指揮者の地位を守りながら助手の女性に手を出したり、将来のある練習生と助手との私的旅行での3P等権力を悪用した奔放な生活をしていた。
しかし、世間のセクハラ・パラハラに対する厳しい目が向けられたことやちょっと遊びのつもりが本気になってしまった練習生との関係を断ったことで練習生は自殺してしまう。
動揺する助手に彼女とのメールの履歴を削除するよう隠ぺいを指示するも、助手は彼女との関係について本気だったため指示を守らなかった。
そのため、主人公は報復として助手を管弦楽団のNo2に昇格させなかったが、そのことを恨んだ助手は楽団を辞め自殺した練習生の両親に情報提供(メール)をする。
裁判で有罪となり全ての地位を追われ現妻からも三行半を突きつけられ全てを失った主人公は東南アジアへ都落ち、そこでゲーム:モンスターハンターのファンのための劇場演奏会の指揮者として演奏しているところで映画は終わる。

↑に書いた内容は合っているか分からない、そもそもこの映画に上記の場面は存在しないため、会話の内容や演技から必死に読み解いた次第です。
個人的には、もっと直接的な描写、例えば贔屓のロシア人チェロ奏者との個人レッスンの場面で言い寄るまたは手籠めにするみたいな場面があった方が分かりやすかったし、主人公が大学の講義をする場面で論破する黒人をアジア人にして内容もゲーム音楽に絡めたり人種差別的な言動をさせればラストの都落ち感がより分かりやすかったと思います。
逆に言うと、モンハンの楽譜に向き合い自分なりに検討しているシーンとか東南アジアの自然と触れ合うシーンがあるため、新天地で元気にやっています風にも見えるのがこの映画の意地悪いところだったりする。

エンドロールから始まりエンドロールに終わるという演出は理解できなかったけど、多分何かしら意味はあるのではないかと考えます。
それと、ロシア人にネットで馬鹿にされている描写があるのですが、あれ今時のネットナチュラルな若者描写としてアリなのかな、そこも謎でした。
ネットと言えば、インタビューでは管弦楽団の手柄みたいこと言っていたコロナ禍におけるネット配信の件、しれっと自分で自分のウィキペディア更新して手柄にしているあたり笑えました。

あまりお勧めではありませんが、権力と対峙せざるを得ない社会人にはお勧めです。
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