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2019年11月09日23:34

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映画「マネー・ショート〜華麗なる大逆転〜」☆☆☆

2019年11月9日(BS鑑賞)

「知らないことが問題ではなく、知らないことを知っていると思いこむことが問題」という格言と共に始まり、金融業界の酷いババ抜きをとても解りやすく描いていた傑作。
リーマンショックの舞台裏をとても丁寧に描いていることから、社会科の教材のような映画でした。

物語は、ノアの方舟同様世界経済の破たんに賭けた勇者達の話です。

以下、商品説明。
住宅ローン債権…信用に応じてランクAAA〜ランクBまである不動産物件を配合して金融商品にしたもの。
金融商品の保険(主人公達の賭けた商品)…金融商品の値が下がると支払われる保険、値が上がると掛け金が上がるリスキーなもの。
金融商品の保険の保険…これが実は巨大な爆弾であり、ウォール街の銀行家が生き残る秘訣。

これら上記の商品を劇中紹介される難解な金融用語と共に解りやすい例えで紹介してくれる有名人達の演出はとても良かったです。
つまるところ、この映画で描かれているのは、リスクを減らすためという美名の元、とんでもないリスクの掛かる商品を無秩序に作り、それを理解していない客に売りまくり儲け、そして客に損をさせて銀行家達は保険によりいち早く脱出するというババ抜きゲームでした。

特にヤバかったのは、クライマックスの現金化するやり取り。
今まで小馬鹿にしてた住宅ローン債権の保険をすごく丁寧に買い取りますよと申出る銀行の人に対して心底げんなりしました。
しかも、ウォール街の皆さんは株価の操作までしていたように受け取れる演出がされており、ゴードン・ゲッコーはまだ良心的な人だったと妙な印象を受けました。

ちなみに、支払える訳がない金融(不動産)商品を売ったウォール街の皆さんは、金融(不動産)商品の保険を手に入れ逃げ切り、その保険の保険やその先の支払いを国民の税金で賄ったうえ、更に投下された税金による損失補てん分の利益からボーナスを得るという離れ業までやって生き残った人もいたという結末が最高にブラックでした。
そして、巨万の富を得て各々の道を行く主人公達の何と悲しい姿を描くのかと、この映画の深い道義心に感動しました。
多分、もっと万人受けする作品にするなら、主人公をブラット・ピット一味に絞り、銀行家を悪役にして不動産バブル崩壊前夜空売りによりボロ儲けして悪役は破産、主人公達は巨万の富を得てハッピーエンドみたいな話にするはずです。

しかし、この映画のヤバいところは前述のような勧善懲悪の話では無く、悪役から主人公が分け前をもらって終わるところにあります。
つまり、悪役ともっと悪い悪役しかいない映画なのです。
それ以外にも、公正取引委員会は人手不足で機能不全だとか格付け会社は自社の利益のために良い格付けをする等、自浄作用の全く機能していない業界の体質が良く描かれていました。

最後に、この映画はアメリカ国民の激怒した事案の映画化ですが、日本の金融機関もこの手の金融(不動産)商品を利回りの良い安全な商品と信じて巨額の損失を出しました。
この損失を埋めるため、日本国民の預金から損失補てんをしています。
つまり、世界中に被害者がいるということを忘れてはいけない話です。
金融業界と縁が無くても絶対にお勧めです。
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