2018年8月13日(劇場鑑賞)
反ロシアキャンペーンであり西側諸国の陰謀とされ、ロシアでは上映禁止になったそうだけど、この映画で描かれたブラックなコメディは、誇張こそあれ歴史的事実に即したものであり、個々の人物の特徴を表現できていたと感じた。
※映画鑑賞後個々の人物のウィキ情報を確認したところ、思いのほか実際のエピソードを紹介していたことに驚いた。(特にトマトを投げる件は、本当にあったとされていることに驚愕した。)
物語は、スターリンの死からその葬式を終えフルシチョフによる権力掌握までを描いています。
「人がゴミのようだ。」とは、ジブリアニメの名言ですがこの映画では実際に人がゴミのように扱われます。
しかも、脈絡や因果関係が分からず人々が連れ去らわれたり処刑されるので、観客からすると思考停止状態のまま普通の光景に見えるので、その点社会主義体制下の情勢をよく現わしていたと感じました。
※逮捕拘束を指揮した人物が、また別の人にその場で射殺されるのを拘束された人々が乗るトラックの荷台から映すのは秀逸だと感じました。
映画の演出として上手いと感じたのは、映画冒頭ラジオ生放送演奏会の場面でラジオを聴いていたスターリンが演奏のレコードを欲しいと放送局の人間に電話し、放送局の人間は驚き生放送をやり直してレコードを作ることで、この映画内におけるスターリンの権勢がいかにすごいかを観客に提示すると同時に物語のスタートは演奏会から始まったと印象付け、それと対になる映画終盤権力を握ったフルシチョフは自分のために演奏させることで権力を誇示し、その背後に座るブレジネフを見せることで権力闘争は続くことを示唆してエンドロールとなるというところです。
エンドロールで劇中の登場人物や劇中の場面を塗りつぶしたり修正加工して人物紹介するのも、単純にブラックなユーモアとも受け取れるし、実際に社会主義国家で行われたことでもあるという二重の意味に受け取れる作りも良かったです。
最後に、この映画で描かれた権力を巡る闘争や対立者に対する卑劣な追い落とし、その他権力者が都合よく歴史を書き換えるということは、どこの国どこの社会でも起こることであり、そのことを指して国の優劣が決まるというのは間違いです。
ただ、この国が映画で描かれたソ連より少しだけ優れている点は、個人の意見を公の場で主張しても、そのこと自体で逮捕拘束されることは無いという点にあると考えます。
※ただし、その主張する内容で逮捕拘束されることはある。
アカ(赤)の脅威を体感する意味でお勧めです。
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