2018年1月30日(BS鑑賞)
面白いシーンが一つも無かった、見せ場が弱いことから脚本の粗だけが目立ち、結果的に映画全体を地盤沈下させたような作品で、アクション映画というジャンルに分類されていることが不思議だと感じました。
物語は、ロンドンで起きた爆弾テロの容疑者としてイギリス・アメリカの当局から濡れ衣を着せられ、さらにはテロリストからも命を狙われる主人公が、アメリカNYで次に起こる爆弾テロの阻止のためたった一人で立ち向かうという話です。
この映画の大きな問題点は、敵が矮小化されていて国際テロリストグループではなく、時計屋という殺し屋になっている点だと考えます。
詳しくは、後述しますがそれにより映画全体を歪めてしまい、主人公の行動に対して感情移入しずらくなったと考えます。
まず、この映画の意味不明な点をテーマ別に挙げていきます。
Q1:なぜ主人公は爆弾テロの容疑者となったのか。
A:テロリストがアメリカで計画するテロ計画に必要な人材をアメリカに送るためのパスポート発券を、主人公(ミラ・ジョヴォヴィッチ)がこの科学者怪しいと疑い拒んだため、テロリスト側が主人公を爆弾により暗殺しようとしたら、暗殺には失敗したけどイギリス当局がろくな捜査もせずに主人公を犯人と決め付け、アメリカもそれに対してろくな抗議も交渉もせずに乗っかったため、結果的に容疑者となりました。
Q2:なぜ主人公は「アメリカNYで次に起こる爆弾テロ」を知り得たのか。
A:主人公がパスポートの発券拒否した男の行先を、アメリカ大使館に不法侵入して探り出した。でも、あくまで行先であるアメリカ国内の到着空港が分かっただけで、その先(どこでテロが起きるのか)についてはまったくの勘としか説明されませんでした。
Q3:なぜテロリストは主人公の命を狙うのか。
A:時計屋(ピアース・ブロスナン)という有名殺し屋を雇い、主人公を消そうとした理由は本当に意味不明で、爆弾テロをせずに内通者の手引きで主人公のいない隙に通してしまえばよかったのではと考えます。
Q4:テロリストグループはなぜアメリカに入国できたのか。
A:アメリカ大使館は機能していなかった…としか理由が分からない。
この映画最大の謎で、正直テロリストどころか時計屋(殺し屋)までアメリカに入国できている点から、実はイギリス大使とイギリス政府もグルだったとかいうくらいの驚愕の大どんでん返しが無いと説明できない。
まずQ1の部分だけでも、この映画がいかにいい加減な脚本か分かってもらえると思います。しかも、アメリカ大使館の人(主人公の上司)は爆弾テロの手口から犯人は時計屋だとすぐに察するという名推理を見せるのに、イギリス側にその点を強く意見したりもせずに、外交官特権(不逮捕特権)を主張するのみでした。
Q2の部分は、ひどい脚本としか説明できないのが残念で、アメリカのNYでテロ起こすテロリストが、NYの空港に降り立つというのは馬鹿すぎて映画ジャッカルのように、一度カナダに入国してから五大湖を渡りアメリカ入国とか工夫して欲しかった。
Q3は、察するにピアース・ブロスナンは殺しのライセンスを持っている英国諜報員だったという裏設定があった可能性もある(嘘)。
Q4は、一番理解できない。主人公は9.11同時多発テロの生き残りでテロを憎んでいることが重要な動機なのに、テロリストは何の苦労もなくアメリカに入国でき、むしろ主人公の方が苦労してアメリカに偽造パスポートを使って入国するというのでは話があべこべではないかと感じた。
それから、最後にアメリカ大使館の職員はロンドンの監視カメラを観られたり、電話を盗聴したりしているように見える描写が多くありましたが、物語の構造上の大きな問題からすれば些細な話だと感じました。
全くお勧めできない映画って逆に語りがいがあるなと思いました。
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