mixiユーザー(id:4941862)

2017年11月24日23:57

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映画「ザ・サークル」★★

 「古い」という言葉が適切で、この映画が発しているメッセージ(監視社会や全体主義に対する警鐘)を現代(いま)問いかけるというのは新鮮味が無いと感じた。

この映画近未来の大企業ザ・サークルによる新サービスを発端に、プライベートを完全に公開するという荒行の末、会社の考える理念(隠し事の無い開かれた一つの世界)と戦うことになる女の物語。

まずは何が不快って、この映画最後に解決策を提示するとか、自分が経営者として会社を良い方向に持っていくとか、そういう前向きな話ではなく、「会社の経営者に一泡吹かせてやったぜざまぁ!」で終わっているところにあります。
この終わり方だと、やられたからやり返したみたいな個人的な仕返しをしただけに見えます。

しかし、あのラストの演出(ステージが暗くなって観客席のみんなにスマホの明かりで照らされるという)は、カッコ良かったです。
どんなに暗い世界でも一人一人の意思により明るく照らすことができるというスマートでポジティブなメッセージとして受け取りました。

そもそも、この会社とんでもないヤバイ組織で、政治家が会社の社内で会社を称賛する演説をしたり、会社に対して敵対する議員の不正をFBIにたれこんで追い落としたりするくらいは序の口で、ユーザーを煽って一般人を狩り出し事故死に追いやり、親のセックスを子供が目撃するという惨劇を全世界に配信したりと、とてもグローバルなIT企業とは思えない。
それから、これは主観ですが出てくる社員が全員常にポジティブで他人に親切で笑顔が絶えないという宗教チックな感じは不快感しか与えない。
実際、共有(シェア)は最高、全ての情報を一つに統合することで、「より良い世界を実現する!」という、プライバシーの無いどころか、排他的な全体主義そのものであり民主主義の対極にある思想信条を、「究極の民主主義の実現」と称賛するあの会社の人間は、どう考えても異常者の集団にしか見えなかった。


批判的な事を書いたけど、この映画前半の作りは丁寧で、オープニングの派遣会社で働くエマ・ワトソンの不遇な感じから、車が故障して幼馴染(彼氏以下友達以上)に助けを求めるところ、カヤックで孤独な自分を慰めているシーン、鹿のシャンデリアなど上手い演出で観客の興味を引き、物語の語りとしても鮮やかな手口だと感じました。
※鹿は殺さなくても角は自然と抜け落ちる。



最後に、どうせエマ・ワトソンを主人公にするならプライベートの濃厚なセックスは無理でも、シャワーシーン位入れても良かったんじゃないですかね。
せっかくの24時間プライベートを公開するという会社の意図は、イイ女の日常を全世界に配信するところにあるのではないでしょうか!と全世界の男たちにSNSの正しい使い方について訴えかけて終わりたいと思います。


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