歩き始めて直ぐに向かい風となる東風が吹き始めた。
最初の内はやや強いかなという感じだったのだが、1時間歩いた十勝岳避難小屋に着く頃にはかなりの強風になっていた。
この時点でかなり心が折れていたのだが、運よく空はまだ晴れており、タクシーの運転手さんに聞いた「噴煙が下向きになったら危険」と言われていた噴煙もまだ上向きに上がっていた。
避難小屋を風よけにして少し休憩をし、その脇から昭和噴火口へ向けて、つづら折れの急坂を登り始めた。
この頃になると早朝に十勝岳を登った人が続々と下山を始めていた。
話を聞いてみると「この先もずっと強風」「風が強いから断念した」というさらに心が折れる話ばかりとなった。
実際に下山する人ばかりで、登る人は私とかなり先に2人程、私のすぐ後ろに女性二人組の5人しか見当たらなかった。
こんな天候の悪い日に登るような人はそうそういないので仕方ない。
東風はさらに強まり、さすがに低体温症の危険が出てきたため、レインウェアを風除け用のウェアとして着込んだ。
この先、もしも雨が降ったとしても風除け出来る場所もないようなので、早めに準備しておいた方が良いと思われた。
この頃からは写真を撮る様な余裕はなくなり、黙々と坂道を登るしかなかった。
ようやく急坂を登りきると、大きなすり鉢状の昭和噴火口が見えてきた。
その先にある十勝岳の登山道も見えてきたのだが、一瞬でガスに覆われてしまった。
雨はなく、強風でありながらも噴石の砂煙に巻かれることがなかったこともあり、その後もルートを逸れないように岩に付けられたペンキマークを目印にさらに黙々と歩いた。
時々ガスが晴れるのだが、沢筋に見えるのは雪渓のようである。
8月の中旬にも関わらず、かなりの雪渓が見える事から、もしかしたら氷河なのかもしれない。
右手にはグランド噴火口という別の噴火口もあるのだが、その姿は全く見えず平坦な道を黙々と歩き続けると、再び急坂となった。
この時に十勝岳から下山してくる人がいたので、少し話をした。
そうすると「頂上は風が強いものの、風は少し収まるらしい」との事。
風が弱まるというよりも東面を登っていく事になるために、山肌自体が風よけになっている状態だった。
20分程登り続けて、気づくと頂上に到達していた。
穏やかに晴れていれば、2時間半のハイキング程度の山なので簡単に登ることが出来た上に、絶景が拝めていたはずである。
しかし今日は雨こそ降っていないもののガスが掛かりほとんど周りは見えない。
時折登ってきた西斜面が見える事があるのだが、麓までは見えず噴火口が見える程度だった。
頂上には20分程滞在したが、東側は一度もガスは晴れなかった。
またこんな天気にも拘らず、美瑛岳から縦走してきたという人がいたのには驚いた。
山の稜線は私が今まで歩いてきたのよりもずっと強い風が吹き続けていた上に景色も見えなかったはずで、よく歩いたなという感想しか持てなかった。
※追記
今週12/16に十勝岳の火口周辺規制が敷かれた事に伴い、十勝岳頂上には入れなくなってしまった。
私が行った時は風向きの関係でガスが掛かることも硫黄臭を感じる事もなかったが、音だけは聞こえていて不気味だった。
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旅行日:2014/08/10(Sun)
写真: 避難小屋〜昭和噴火口までの登り口からの十勝岳(噴煙は、今週周辺規制の原因となった62-2噴火口),
昭和噴火口(左手)からの十勝岳(下山時撮影), 十勝岳頂上
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