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2026年08月14日20:17

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恥ずかしながら?

 ソ連の指揮者といえば、この人と云われたほどの大指揮者エフゲニー・ムラヴィンスキーにはこんなことがありました。

 ある時、ムラヴィンスキーがラジオを聴いていると、ストラヴィンスキー作曲の“ミューズを率いるアポロ”という曲の演奏が流れてきたのです。
https://www.youtube.com/watch?v=iO4X0Of14yE&list=RDiO4X0Of14yE&start_radio=1

 その演奏はムラヴィンスキーの耳には理想的と言っていいほど、素晴らしいものに感じられ、思わず聴き入り、曲が終わる頃には感激のあまり、涙を流したくらいでした。
 いったい誰がこの素晴らしい演奏を遺したのだろうとさらにラジオを聴いていると、「エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルハーモニー管弦楽団」、と自分と自分が指揮したオーケストラの名前が紹介されて呆然としたそうです。

 ある友人にこのエピソードを話したら、その友人は「それは恥ずかしい話しだ」と当然のように言いました。
 まぁ、そうかもしれないですね。指揮者という芸術家としては演奏当時から少しも進歩していなかったから、過去に遺した演奏にいまだに感激したとも言おうとすれば言えるわけですからね。

 何でこんなことを書いたかといいますと、今日、私もちょっとこれに似た恥ずかしい?体験をして、しかも恥ずかしげもなく、それを書こうとしているからです。
 mixi の日記に何年か前の同じ日に書いた日記が掲載されるようになってしばらく経ちますが、今日は、自分自身が16年前の今日書いた日記に我ながらちょっと感動してしまったのです。
 以下はその全文です。ムラヴィンスキーと違って私は芸術家ではないので、感動しても恥ずかしいことではないのかもしれませんが、あまり進歩してないとは言えるかもしれません。


あるいはポーランド人が認めたくない真実

 今年(2010年)は、ショパンの生誕200年ということですが、あるいはポーランド人が認めたくない真実かもしれない事実として、こんな話があります。
 第二次世界大戦中、ショパンの心臓はポーランド人によってではなく、こともあろうに敵国のナチス・ドイツの兵隊によって守られたという事実です。
 ショパンは1849年にフランスのパリで客死したのですが、遺言に従い、姉により、心臓だけはポーランドのワルシャワにある聖十字架教会に葬られました。
 ところが、第二次世界大戦が始まると、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、ワルシャワに迫りました。このままでは、早晩ショパンの心臓もナチスによって見つけ出されてしまう運命にありました。事実、ヒトラーはポーランドの心ともいうべきショパンの心臓を何としても見つけ出し、ポーランド国民の戦意を削ぐことに利用しようとしてました。
 そんなときに、聖十字架教会に一通の申出が届きました。「我々にショパンの心臓を託してくれれば、ヒトラーの手に渡さずに守り通し、戦後返還することを約束する」というのです。内容自体は、教会側にとっては願ってもない話でしたが、しかし、送り主が問題でした。他ならぬワルシャワに迫っていたナチス・ドイツの一将校(従軍神父とも言われています)からの申出だったからです。
 教会側は自分たちを騙そうとしてるに違いないとも思いましたが、どのみちショパンの心臓が敵の手に渡るのであれば、少しでもマシな方に懸けることにしました。
 こうして、ショパンの心臓は一時ナチスの手に渡りましたが、この申出をした将校(従軍神父)は本当に熱烈なショパン愛好家だったとみえて、ナチス党員でありながらヒトラーには従わず、厳しい捜査をかいくぐってショパンの心臓を守り抜き、ついにこれをヒトラーの目から隠し通すことに成功したのです。
 そして、戦後、約束どおり、ショパンの心臓を聖十字架教会に戻し、その結果、今でもショパンの心臓は同所に眠っているというのです。
 これには、心臓は実はワルシャワへの砲撃で焼けてしまったに違いない(実際、聖十字架教会も砲撃に遭い、3分の1ほどが崩壊している)とか、返された心臓は実はショパンのものではなく別人のものだ(実際、教会やポーランド政府は心臓のDNA鑑定を拒み続けている)とか、諸説あるようですが、少なくとも15年ほど前、私がNHKで見たドキュメンタリーでは、私の記憶違いがなければ、凡そ上記のように伝えられていました。
 本当だとすれば、流石、クラシック音楽の盟主を自認するドイツの面目躍如たる話だなぁ、と初めてこの話を知ったときは、感心したものでした。 
 ただ、最近はいささか見方が変わったというのか、とくに何かと戦争について考えさせられることが多い今月に入って、手放しでは喜べない話だなぁと思うようになりました。
 確かに、いい話と言えばいい話なのですが、ただ、このナチスの将校(従軍神父)も、兵隊である以上、数多くの動いている心臓が動かなくなる瞬間(人が殺される瞬間)を目撃していたに違いありません。あるいは、動いている心臓を自ら動かなくした(殺した)経験もあったかもしれません。いくらショパンのものとはいえ、動かなくなってから百年ほども経っている心臓を守る勇気があったのなら、現に動いている心臓をもっと守ってほしかった、という気がするようになったのです。
 もっとも、そんなこと百も承知でいても、それが許されなかったというのが、戦争の時代なのかもしれません(ナチス党員でありながらヒトラーに背いてまでショパンの心臓を守り抜いたというだけでも、たいへんなことだったのかもしれません。いや、きっとそうなのでしょう)。嫌な時代ですね。
 日本が直接の当事者となっている戦争のない今という時代だからこそ、私もこんな少々批判的なことを言いたい放題書いていられるのかもしれません。
 そう考えると、今なお世界のどこかで起こっているといわれている戦争(内戦も含みます)を体験せずに、半世紀生きてくることができたのは本当に幸運なことだと思います。

 明日、この国は81回目の終戦記念日を迎えます。

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