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2026年07月06日06:08

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石炭バケツとLINE設定

今の小学校では、冬の暖房はどうなっているのだろう、と急に思った。
もう今は夏も冬もエアコンで空調されていて、教室は一年中それなりに快適なのかもしれない。

私の子どものころは、石炭ストーブ、いわゆるダルマストーブだった。
冬になると、日直が資材置き場から石炭をバケツ一杯運んできて、新聞紙と木の枝と石炭を積み上げ、マッチを擦って火をつけた。
今こうして書くと、なかなか原始的である。
しかも当時は、換気がどうこうと今ほど神経質に言われた記憶もない。煙は煙突から外へ出ていたし、休み時間には先生が窓を開けていたのかもしれないが、正直そこまでは覚えていない。
放課後になると、今度は石炭灰をかき集めて灰捨て場へ持っていく。
子どもの仕事としては、なかなか渋い。
今の小学生に言っても、たぶん「それは何のクエストですか」と聞かれそうである。

それから何十年もたって、化学実験のとき、ガスバーナーに点火するのにマッチを擦ったことのない高校生がいるのに驚いた。
こちらとしては、マッチくらい誰でも擦れるものだと思っていたのだが、そうでもないらしい。
物理で使う弓形火起こし器など、たぶん使い方を説明しないと、何の道具かも分からないだろう。

その一方で、私が苦手なLINEの設定などは、生徒のほうがさっさと済ませてしまう。
就職希望の生徒との連絡用に四苦八苦している横で、あっという間に設定を終えてしまうのだから、こちらのほうが実験台にされた気分である。

火を起こすことには強いが、LINEの設定には弱い。
生徒はその逆である。
どちらが文明的なのか、少し考えてしまう。

まあ、時代なのだろう。
昔の子どもはマッチを擦れたが、今の子どもは設定画面を恐れない。
人類はたしかに進歩している。
進歩の方向が、私の予想と少し違うだけである。

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