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2026年06月24日00:14

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変数のいろいろから、宇宙論へ

我ながら、よく日記のネタが毎日途切れないものだと思う。
もしこれが途切れたら、日記よりもっと大事な作業に取りかかっているか、さもなければ隕石にでも当たって昇天したのだと思っていただきたい。

今日はなぜか急に、「示強性変数」と「示量性変数」という言葉が頭に浮かんだ。
何がきっかけだったのか、自分でもよく分からない。
どうやら学生時代に熱力学で習った、物理量の分け方らしい。

示量性変数というのは、ものの量が二倍になれば、その値も二倍になるような量である。
たとえば、質量 m、体積V、粒子数N、エントロピーS、内部エネルギーU、電荷Q など。 
要するに、「集めれば集めるほど増える量」である。

それに対して示強性変数は、全体の量を二倍にしても変わらないものをいう。
たとえば、温度 T、圧力P、密度ρ、濃度c、屈折率n など。 
こちらは、「どれだけ集めても、その性質そのものは変わらない量」と言ってよさそうだ。

こうして見ると、なるほど分かりやすい。
ところが、ここで少しややこしくなる。
「力」F は、なんとなく“強さ”なのだから示強性変数のようにも思えるのに、熱力学ではそう単純ではなく、相互作用に関わる量として扱われるらしい。 
それに対応する示強性変数としては、むしろ圧力P(pressure) が出てくる。 
さらにややこしいのは、同じ P という記号でも、圧力ではなく仕事率、つまり power を表すP は示量性変数になることだ。 
記号が同じでも意味が違うので、なかなか油断できない。Pはもう一つ「運動量」の記号でもある。ああヤヤコシイ。

学生時代の熱力学の教科書を読み返してみると、この分類にきれいには入らないものもある。
時間、座標、速度、加速度、力などである。
世の中の量がすべてこの二つに分けられるわけではない、というのもまた面白い。

そこからさらに考えが飛んで、「変数」ではなく、むしろ「定数」と呼ぶべきものに思いが及んだ。
自然単位系では、光速c=1、ディラック定数ℏ=1、万有引力定数G=1 のように、自然法則を支える基本的な定数を 1 と置いてしまう(長さ、質量、時間をこうなるよう定義しなおすという事です)。
これは計算を簡単にするためでもあるが、同時に、こうした定数が宇宙のルールそのものを形づくっていることを感じさせる。

けれど、もしこれらの「定数」が本当は固定されたものではなく、変えられるものだったらどうなるのだろう。
そう考えると、小松左京の『こういう宇宙』のような発想に近づいていく。
宇宙の性質を決めているルールブックそのものが、別の値を取りうるとしたら、私たちの宇宙とはまったく違う宇宙もありえたことになる。

では、その基本定数の値が決まれば、電子の質量や陽子の質量、微細構造定数、真空エネルギーのようなものまで一意的に決まるのだろうか。
それとも、なお膨大な自由度が残るのだろうか。
そうした問いの先に、ランドスケープ問題やマルチバースといった話が出てくるのだと思う。

熱力学の教科書を読み返していたはずなのに、気がつけば宇宙論の入口まで来てしまった。
こういうふうに、ひとつの言葉から思考が思わぬところへ飛んでいくのは、なかなか面白い。
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