今、台風の影響で外はかなり強い雨が降っている。
大きな被害が出なければいいのだが、と気になる。
どこに住んでいる人にも、どうか無事でいてほしいと思う。
そんな状況でこんなことを連想するのは少し不謹慎かもしれないが、高橋留美子『うる星やつら』の台風パニックのエピソードを思い出した。
諸星家の雨漏りの水を、ラムが重力遮断か何かで空中に浮かせてしまい、その結果、家の中がまるごとウォーターワールドになる話である。
しかもラムは、家の人たちに水中でも呼吸できる薬か装置を渡して、テンちゃんと一緒にその状況を思いきり楽しんでしまう。
災難のはずなのに、いつのまにか祝祭空間に変わってしまうのが、いかにも『うる星やつら』らしい。
どんな状況でも喜びの種を見つけてしまう、という考え方がある。
いわゆるポリアンナ的な思考法というのだろうが、あのエピソードはその極致のひとつかもしれない。
本来なら困るはずの事態を、むしろ全力で遊び倒す。
ギャグやスラップスティック・コメディには、こういう不謹慎さすら笑いに変えてしまう逞しさがあるのだと思う。
ただ、こういう笑いが成立するには、作品の力だけでなく、それを受け止める側の寛容さも必要なのだろう。
今のように、SNSですぐに炎上が起きる時代だと、こうした笑いは昔よりずっと成立しにくくなっている気がする。
現実の災害への想像力はもちろん大事だが、それとは別に、不謹慎さを含んだギャグを受け止める余白のようなものも、少しずつ失われているのかもしれない。
ログインしてコメントを確認・投稿する