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2024年09月13日10:00

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「フォールガイ」感想


 これは、「ブレット・トレイン」のデヴィッド・リーチによる痛快アクション。
 主演は、「バービー」のライアン・ゴズリング。共演は、「クワイエット・プレイス」のエミリー・ブラント、「キック・アス」のアーロン・テイラー=ジョンソン。
 
 スタントマンのコルト・シーバースは大怪我を負い一線を退いていたが、馴染の大物プロデューサーから、疎遠になっていたかつての恋人のジョディ・モレノが初監督を務めると聞かされ、現場に戻る決意をする。
 ジョディに未練たらたらのコルトは、彼女の気を引こうとスタントに奮闘する。そんな現場では、プロデューサーより主役俳優トム・ライダーが行方不明となっており、彼を探し出す事が、ジョディとの復縁とスタントマンとしてのキャリアの復活に繋がる、と説かれたコルトはトムの行方を追うことになるが、思わぬ事件に巻き込まれて……

 本作は、1980年代の人気TVドラマ「俺たち賞金稼ぎ!! フォール・ガイ」を元にしている、と言うが、リメイクと言う訳ではなく、主人公の名前と、スタントマンをしている、と言う設定だけを拝借しただけで、内容はオリジナルではないかと思う。
 スタントマンが主役と言う事で、内容としては映画撮影の裏側を描くバックスクリーンものになる――勿論、映画作りを描く映画は大抵面白く、映画ファンには堪らないものでもあるのだが、本作はそれに加え、主演俳優を探すミステリーにサスペンス、そして映画監督で元恋人とのロマンスをも含む盛沢山の内容……これを様々なアクションで繋ぎながら見せて行く。
 映画製作現場の裏話的なエピソードや、引用される名作映画の台詞など、映画ファンをくすぐる仕掛けも多いし、アクションは本格――キャノンロール(空気砲による横転)・8回転半、と言うのは劇中台詞にもあるように世界記録なのだとか。
 監督のデヴィッド・リーチはスタントマン出身で、長年ブラッド・ピットのスタントダブルを務めて来た、と言うだけに、そんな経験も存分に発揮されているように思う。

 これもタランティーノの影響か、登場人物が映画蘊蓄を含む無駄話を繰り広げる、と言う場面や、無駄に思える格闘シーンなどが、物語のテンポを削いでいるように思える一方で、本作の目玉アクションシーンである、コルトが暴走するトラックに引きずられる鉄板に乗り、水上スキーのように路上を滑走するシーンに、ジョディがしんみりと歌い上げる「見つめていたい」を重ねる、そうしたミスマッチ感は面白く思えた。

 CG全盛の現在で、ミスマッチとも思える、映画に身体を張るスタントマンに着目した本作……デヴィッド・リーチ監督が、アカデミー賞委員会に「スタント部門」を設けるよう働きかけているとも言われますが、そんな、アクション馬鹿、と言うかスタント愛に溢れたバックスクリーンものとして、映画好きには見逃せない映画であるように思う。

PS
 ジョディが映画内で撮影していたSF映画「メタルストーム」は、主演をジェイソン・モモアに変更して完成した事がエンドロールで描かれる……ただ、ジェイソン・モモアとコルト(=ライアン・ゴズリング)では体格が違い過ぎ、スタントダブルは務まらないだろうから……劇中でコルトが身体を張ったシーンも撮り直しになったのではないだろうか?
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