2024年9月8日劇場鑑賞
フランス映画恐るべし、救いのない厳しいサバイバル・スリラーでした。
物語は、人、家、街、すべてを溶かしていく、超高濃度の死の酸性雨が降り出した世界を舞台に、極限状態に陥った人々のこの世の終わりからの脱出劇を描く。
人間関係が酷くて、主人公は家族のことを思う良い父親だが、心は既に別の女性の方へ移っているし、奥さんは刑務所にぶち込まれた旦那に代わって子供を育てた訳ではなく兄の伝手で寄宿舎へお払い箱にしていたし、娘は父親が好きだが自分が不要となりつつある現状から逃げるためお友達はお馬さんだけという感じで、これだけハードな人間模様で超高濃度の死の酸性雨から逃げるとなれば、他人を蹴落とし物を盗み自分だけが助かれば良いという道徳心の欠片も無い行動を取らざるを得ない状況を延々見せられました。
一応最後は自己犠牲的な美しい家族愛を魅せるクライマックスを用意していますが、その間に助けてくれた一家を見捨てたり、母親を見殺しにしたりとハードな展開が目白押しのため、もうお腹いっぱいといった印象です。
なお、最後に助けてくれた軍隊の皆さんは普通の恰好でしたけど、酸性雨はベルギーでは降らないなんて理屈は通らないので、対酸性雨装備とかが見られなかったのは大きなマイナス点でした。
それとこの映画では自然と無政府状態になってしまうのですが、もう少し段階を踏んだ方が良かったです。例えば、最初は建物に逃げ込めばOKだったのが建物そのものを溶かし始め逃げ場が無くなる的な展開を一つ入れるとフランスの皆さんが町を捨ててベルギーへ向かう理屈が呑み込みやすくなると思いました。
フランスのお国柄なのか、家族というより個の共同体としての集団みたいな印象でみんな自分が一番って感じでした、家族の姿を考える意味でお勧めです。
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