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2024年03月12日20:22

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アカデミー賞雑感

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独断と偏見ですが、今年のステージ賞はダントツでライアン・ゴズリングでした。エミリー・ブラントとの『オッペンハイマー』vs『バービー』漫談(?)はバーベンハイマーを連呼するどころかオッペンバービーとか言い出すなど、ふざけ過ぎとか不謹慎という非難もあるようですが自分的にはノープロブレム。二人とも終始真顔で会話しているのがおかしかった(^^) この二人は今夏公開『フォールガイ』で共演なんですね〜なるほど。

そしてライアンの「I’m Just Ken」生披露ではシム・リウ、チュティ・ガトゥ、キングズリー・ベン=アディル、スコット・エヴァンスまでが揃い踏み。更にはウルフギャング・ヴァン・ヘイレン(息子です)とガンズのスラッシュまで出てきて、え?「I’m Just Ken」てこの二人がセッションしていたの!?という驚きも合わせてステージは最高潮。ライアンはマーゴット・ロビーに気を使ったり、エマ・ストーンにもちょっかいを出すなどやり放題。エマも歌っていたのでまさかの『ラ・ラ・ランド』再現かと思いました。

そのエマ・ストーンが主演女優賞を取っちゃいましたねぇ。『哀れなるものたち』好きなので異論なしと言いつつも、実はリリー・グラッドストーンかザンドラ・ヒュラーが取れたらいいなと思っていました。

一番ツボだったのはVIP席にいらっしゃった『落下の解剖学』のスヌープ。ワンちゃんなのですが作品内での存在感は抜群で、え?どうやって撮ったの?と思うような名演でした。本名はメッシで7歳のボーダーコリーとのこと。さすがにノミネートはされませんでしたが(カンヌではパルムドッグ賞を受賞!) 犬をVIP招待にするなんて、アメリカってこういうことをさり気なくやるんですよねぇ。さすが役者犬だけあって大人しくお座りしているのが可愛い過ぎる。途中の映像でメッシも拍手しているように見えたのは気のせい?

7部門を受賞した『オッペンハイマー』ではキリアン・マーフィーがスピーチで「私たちは良くも悪くもオッペンハイマー以降の世界に住んでいます。この賞は世界中で平和を維持してくれている人々に捧げたい」と言ったのが印象的。クリストファー・ノーラン監督なので間違いなく難解な映画だと思うのですが(笑)どうやら日本人だと笑えない場面もあるらしいですね。いずれにしても期待と不安を持って公開を待ちましょう。

スピーチといえば山崎貴監督・・・あの英語ではたぶんネイティブ方々には聞きとれない(^^; 下手に流暢っぽく喋らないで、ゆっくりでいいからはっきり喋らないと。まぁあのステージ上で平静を保つ方が無理だとは思うので心中お察しいたします。『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』を口に出すのは素敵ですが、ひと言でいいから円谷英二の名前も出して欲しかった。これまでの歴史ありきで誕生したのが貴方のゴジラなのですから。

それにしてもハリウッドで何回も作られているゴジラというコンテンツで、敢えて日本の作品が評価されたというのは本当に快挙です。VFXを手掛けた受賞の主役・白組を初めて知ったのは20年近く前で、原田昌樹監督がメインを務めた『魔弾戦記リュウケンドー』からでした。当時まだCGクオリティは過度期で、まったくお金がかけられないテレビ特撮渦中でのチャレンジは、無理を押してのハードな製作現場であったことを監督から聞いていました。でも、その行き着く先に本場アカデミー賞のステージが待っていたなんて夢のまた夢。関係者の皆さんは本当に感無量でしょう。今は余裕を持って仕事ができる現場環境になっているとよいのですが、この受賞で益々仕事が増えてまた大変になる予感もします。事業の成功は当事者の未来を豊にするものであって欲しいですね。

米国メディアで少し話題になっているのは一部の受賞者がアジア人に差別的な態度をとったという意見や批判。プレゼンターのミシェル・ヨーやキー・ホイ・クァンがステージ上で無視されたというくだりの場面は、たしかにそう取れる感じもするのは事実。でもこれってされた側のキー・ホイやミシェルはそんなに自覚していないのでは?という程度だと思ってしまうのは自分もアジア人だからでしょうか。寧ろそういう批判をする方々こそ、日頃から差別意識を持っているが故に、ステージで舞い上がっている受賞者の一挙手一投足に因縁をつけるネタを見つけるネガティブスキルがあると勘繰りたくなります。

今回のアカデミー賞、タイトルを獲得した作品に共通する部分があるとしたら“戦争”でしょうか。『オッペンハイマー』『ゴジラー1.0』は言うに及ばず、戦争そのものを直接的には描かずに、そこに取り巻かれる時用を各々題材にした作品ということで『君たちはどう生きるか』『関心領域』もそれに該当するし、助演女優賞のダバイン・ジョイ・ランドルフもベトナム戦争で息子を亡くした役を演じています。長編ドキュメンタリー賞『実録 マリウポリの20日間』は直球モノのようですが、ウクライナやガザで実際に戦争が起きている現在、アメリカは戦争の当事国ではない立場から政治面、経済面、武力面で関りを作り、常に自分達の主張が正義であることを間接的にプロパガンダする性質を無意識に持っていると思います。アメリカ先住民を大量虐殺した白人戦犯の実話を元にする『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が無冠に終わったことが、これを物語っているように思うのは考え過ぎなのか。華やかで煌びやかなエンタメ的な楽しさと、そこに隠れる利己的な正論の振り翳しをどうしても感じずにはいられないのがこのアカデミー賞。呑み込まれない瀬戸際にところで、次回も楽しみにしたいと思います。

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