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2023年11月18日20:00

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映画2023年9月/『アトランティス』

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『アトランティス』(ウクライナ)
ウクライナ映画支援として今年3月に行われたクラウドファンディングで『アトランティス』『リフレクション』の上映会に申込み。しかしチケット入手が平日のみとなり都合がつかず、ユーロスペース/ユーロライブでの限定上映鑑賞は叶わなかった。その後、6/25よりシアターイメージフォーラムでの再上映が決定。ようやく両作を鑑賞できた。

2019年製作の作品で、ロシアとの戦争終結後の近未来という設定で2025年を舞台にしている。つまりロシアの本格侵攻よりも以前に、現在のウクライナ情勢を取り込んだ製作が行われていたことになる。物語はその後の未来をも悲観的な世界観として描いており、恐らくは2014年のクリミア半島危機以降の世界として続くロシア軍の制圧がベースと思われるが事実関係は不明。

ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督は過去に鑑賞した唯一のウクライナ映画『ザ・トライブ』にも演出参加していたので、ところどころで類似した映像表現を感じることができる。ワンシーン=ワンカットを基本とした長回し撮影であるところ等は、独特な作品カラーを印象付ける部分でその手法が支配的。地味ながらセンス溢れる映像が多々見られた。

破壊が尽くされた戦後の荒野を行き交う装甲車、生気のかけらすら感じられない人々が彷徨う戦慄の空間。戦争体験で精神的トラウマを抱える退役兵士セルヒーが、戦死者の遺体回収作業ボランティアに従事する女性カーチャと出会うことで、生きることへの意味を見いだそうともがく物語。

冒頭の遺体埋蔵とラストの抱擁シーンでのサーモグラフィ映像が鮮烈な演出効果を放っており、生への渇望をグラフィックの暖色で示して人間の体温を表現する。生きる意味の心の拠り所を灯のように示すラストは、言葉にできない虚無感となって鑑賞後の余韻を残す。2025年のウクライナの現実がこうなっては絶対にいけない。

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