2023年9月10日劇場鑑賞
もともとボクシング映画は外れがないと思っていましたが、これは熱い映画で春に散った漢(たち)の話だった。
物語は、アメリカ帰りの元ボクサーが出会った元ボクサーである主人公と栄光を目指すという話です。
佐藤浩市のベットでの慟哭、「もう時間が無いんだ、俺をチャンピオンにしてくれ。」という叫びに目頭熱くなりました。
横浜流星のジャックナイフのような尖った演技は役者魂を感じて好きです。
橋本環奈の女優オーラを完全に消した介護疲れのヤングケアラー演技はすごかった、普通に可愛い娘くらいのイメージでいたので女優として観ていなかった。
窪田正孝の怠そうで生意気そうな感じは良かったです、残念なのは演じているキャラが不真面目な天才なのか努力家の優等生なのか分かりにくかったところです。
「明日は無いんだよ、今しか無いだよ。」とか、「熱いたぎるモノがあるんだろ。」とか台詞の熱さも結構好きだし、単純に俳優の皆さんが身体を作り込んで撮影に臨んだボクシング描写は観る者を惹きつけます。
ただ、気になる脚本の粗もあり、プロレスだよ興行はとか言っていた偉い人の発言が伏線では無かったり、橋本環奈による御飯が食べれないであろう貧困層の子供にお弁当をあげるシーン、大晦日に主人公の家にお邪魔して闘わないで的な発言をするところが後の展開に活かされなかったところや、窪田正孝が敵情視察しに来たり、僕興味ありません的なスマホいじりする割に佐藤浩市に対しては挑発的な発言したり試合前に厳しいトレーニング積んでいるシーン入れる等キャラ設定に苦慮したのかと思ったりしました。
他にも主人公が弱い相手に鬼になれないところや、母親にDVしていたヒモ野郎をボコるところとか話の本筋とは関係ないシーンを盛り込みすぎではないかなと感じました。
多分この話は結末の「春に散る」ところに一番の盛り上がりを持っていった方が良かったのではないかと思うのですが、脇の話を盛りすぎて焦点がぼやけたのが残念でした。
それとこれは一番自分の中でウケたシーンですが、物語冒頭佐藤浩市が居酒屋でビールを美味しそうに呑むと後ろのガキどもが大声で武勇伝を自慢、佐藤浩市が注意すると絡まれるというところ。主人公が助太刀をするために追いかけるも佐藤浩市は不良のガキをボコボコにする、追いかけてきた主人公ぼう然とするも佐藤浩市は仲間だと勘違いし拳を構える、主人公はつられて拳を構えるというシーン、結果的に必殺のクロスカウンターで主人公はのされるのですが、成りが不良だもんで誤解される主人公が哀れなのと根は良い奴なのと言葉で誤解を解こうとしない売られたケンカは買う気の強さ等この話の面白さを端的に表す良い場面でした。
面白い映画ですので、今劇場に観行くのがお勧めです。
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