これぞタローマンの原子モデル「若い太陽の塔」の模型:全高26m,直径4mの顔と11本の炎で構成されています。愛知県犬山市にある日本モンキーパーク内にあるそうで、老朽化で公開中止時期があったのを、3千万円で改修工事を行い再公開されているとのこと。これは知りませんでした。必ず観に行かなくては。

ニュータウン建設地に現れてタローマンを苦しめた「赤い手」と「青い手」:本物は神奈川県相模原市の商店街にあるそうで、桜並木の道路を挟んで両サイドに設置されています。コンセプトは「宇宙をつかみ、客を呼ぶ」(笑)
渋谷区民にはお馴染み「こどもの樹」:1枚目は今回の展示模型、2枚目は青山通り沿いに現存する本物のこどもの樹。一時期撤去の発表もありましたが、渋谷区の英断で今後も残すことが決定しています。都内で最も慣れ親しまれている岡本太郎作品かと思います。珍しく怒りや曇りが無い純粋さを感じる、ある意味で不思議な作品。
「読売新聞1957年元旦号のための書きおろしイラスト」:映画公開から1年後。人類に友好的なパイラ人と、もう片側にひとつ目で炎を放ちながら握手を求めてくる別の異星人。宇宙という概念に対する岡本太郎の思想は、人間を超越した導きの存在としてポジティヴに扱われることが多いです。

パイラ人は総天然色空想科学映画『宇宙人東京に現わる』に登場します。はっきり言って退屈な映画なのですが、その時代で既に原子力の脅威を訴えているのは、当時まだ被爆国の自覚が生々しくて、反核概念が強くあったからでしょう。岡本太郎がこの仕事を引き受けた理由として挙げておきたいですね。超高度な文明を持つパイラ人によって地球は巨大隕石の衝突から免れ、人間が使おうとした水爆は平和利用へと導かれます。ぼんやりとした表現なのであまり説得力がない作品なのが歯痒いですが。
「顔は宇宙だ。顔は自であり、他であり、全体なのだ。そのど真ん中に眼がある。それは宇宙と一体の交流の穴。世界の美のあらゆる層に、なんとさまざまの顔があり、また眼があるのだろう。まん丸い眼、とがったの、凹んだ穴ぼこ、あらゆる眼がにらみ、挑みあい、絶対をたしかめあう。ひとつの顔の宇宙のなかに、また無限の顔、そして眼玉が光っている。言いようのない実在感をもって」岡本太郎
「疾走する眼」:「タローマン」で日本中を駆け巡っていた1992年の作品ですが、この流れで鑑賞するとパイラ人のDNAを引き継いでいることが伝わります。繰り返しになりますが、眼こそは生への象徴というのが岡本太郎生涯の一貫コンセプトなのです。
そして展示は「太陽の塔」に辿り着きます。根源から未来へ向かって吹き上がる生命エネルギー概念が、内部に詰まっているという太陽の塔。前展示にあった何作かのプロトタイプ「マスク」を経て到達した3つの顔「黄金の顔」「太陽の顔」「黒い太陽」。両腕を大きく伸ばして広がりを魅せる万物の象徴です。この展示は1/50モデルなので、本物をまた見たくなります。
つづく
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