mixiユーザー(id:4380531)

2022年12月20日00:00

142 view

TAROのルーツを学ぶ

フォト
18〜28歳まで生活したパリ時代の作品コーナーが2ndフロアにありました。この10年間でピカソに代表される純粋抽象から、シュルレアリスム(強度な現実精神芸術=超現実主義)に影響されて変化していく岡本太郎作品のルーツとなる時代。作品の殆どが戦火で失われた中、残された数少ない1930年代過渡期の絵画が展示されています。
フォト
「痛ましき腕」:顔が描かれない人物の皮膚を等間隔で剝がしたような腕。大きく描かれた赤いリボン。髪らしきものを握り締めた拳。1936年に描かれたリリシズム(抒情的)世界は、反抗と告発をぶつけている自分自身なのだそうです。芸術表現への不安感と捉える見方もある気がして、若かりし岡本太郎の青春の苦悩といったところでしょうか。
フォト
「露店」:カラフルなリボンやラッパ(?)かざぐるまが並ぶ露店の奥の暗闇で、これまた赤いリボンを付けてうつむき笛を吹く売り子。本人自らがニューヨークの美術館に寄贈したという逸品は、日本での展示が叶ったのが40年ぶりとのこと。異色作。
フォト
「夜」:1947年作品。これも強烈です。20〜30代の作品は抽象比喩中にネオ・コンクレティスム(新具体主義)が入っていて好きですね。ナイフ(短刀?)を背中に隠した女性が、燃える抽象物に対峙している後姿。炎をあげている枝のようなもの全体が実に不気味で、その背後には何か邪悪な者が潜んでいます。凝視することを止められず見入ってしまいます。
フォト
「作家」:岡本太郎の父・岡本一平を描いたとされている作品。一平は大正〜昭和戦前時代の人気漫画家で、新聞や雑誌で解説文を添えた漫画漫文を描き続けた方。岡本太郎絵画の原点人物をモデルにしたこの絵のイメージこそ自己形成完結の瞬間なのかも。
フォト
「燃える人」:1955年。このあたりからようやく、自分の知るところの岡本太郎作品っぽさが完成されてきます。ヒロシマ,ナガサキ、米国水爆実験、第五福竜丸被爆事件・・・製作タイミング的にこの頃ですので、この絵の言わんことは直球で伝わります。被爆した人間をテーマにする作品は、この後に製作されていくことになる岡本太郎絵画作品の頂点「明日の神話」へ向かうプロローグ感があります。悲壮感と逼迫感が襲ってくるこの威力。これを観ていると後の「太陽の塔」等の作品は、精一杯に大衆側に寄り添った、岡本太郎にとっては妥協の産物だったのではないかとさえ思えてきます。

                            つづく
11 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年12月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の日記

もっと見る