2021年9月19日劇場鑑賞
皮肉な結末、でも選挙制度の真理を突く、本当に厳しく勉強になる作品でした。
物語は、民主党と共和党による仁義なき戦いに巻き込まれた小さな町の町長選挙の顛末を描く。
金ですよ金、思想信条やルックス、人格等全く関係なしに何百万ドルもの大金を注ぎ込み、積み上げられた札束の高さを競うのが選挙活動であるという苦く濃厚な民主主義の根幹を巧みに表現しているため、ラストの皮肉は衝撃的でした。
画面が小さいのは、最初ビデオスルーする予定だったのかなと思いましたが、内容を見て納得でした、こんな皮肉の効いた映画大手のデカい劇場で上映するのは難しいだろうと感じました。
マッケンジー・デイビスの素朴な可愛さ、スティーブ・カリルの不謹慎な笑いは受けましたが、全体に田舎の緩い感じと民主党(共和党)のやる気満々な感じが合わなくて、違和感ありありでした。しかし、結末から逆算するとその温度差は正しく映画を観れているということですが、その辺りをうまく呑み込めるかどうかでこの映画の評価はだいぶ変わると考えます。
なお、選挙資金を集めるために金持ちから寄付を募る場面、アメリカの税制では寄付は善行とされる半面、何の縁もない知らない候補者にお金をばら撒く超セレブな人々のパーティという違和感をうまく表していました。また、そのパーティに行く前の場面で、インゲンをフランス語読みする主人公に候補者がインゲンはインゲンだという場面は、言葉を操る主人公と言葉の意味を知る候補者の価値観の相違が見えて良い演出でした。
選挙は肥大化し無尽蔵にお金が動くマネーゲームに成り下がったという現代アメリカの病理を描いた良い映画ですが、人を選ぶという意味で選挙に映画の構造が近いので、選ばれた人が観るのがお勧めです。
ログインしてコメントを確認・投稿する