2021年9月5日BS録画鑑賞
ハードな暴力映画で、このご時勢に中々観られない良質な作品だった。
物語は、米国内に進出するメキシコ麻薬カルテルを撲滅するための作戦の顛末を描いています。
上手い話運びだと感じたのは、主人公をエイミー・ブラント演じる女性主人公にしたことで、何も分からない主人公に周りの登場人物が説明してあげるという話にできたことです。
最初は国務省の作戦に協力するという体だったのですが、実はCIAの秘密作戦に利用されたFBIの話で、結論から逆算すると麻薬の供給源が変わるだけで麻薬戦争に終わりは無いという悲惨な話に落ち着くところが、本当に苦くて良い話だと感じました。
それと、メキシコで麻薬カルテルに逆らうと逆さ吊りにされて首切断されるとかとても法治国家には見えない話とか、口を酸っぱくメキシコの警察は信用するなとか、制服警官は敵だと思え等メキシコに対する厳しい語り口がとても印象的でした。
資金洗浄の流れが良く考えられていてすごく感心したのですが、目立たないように9000ドルずつ毎日送金する位は序の口で、メキシコで借金を作り米国の銀行から借金を返済している体で資金を動かすというアイデアはとても上手いと思いました。
各部局の思惑が絡むような政治劇を極力排した良質な暴力映画なのが魅力で、しかもアメリカの一方的な話にならないように、最初から最後までちょっとずつメキシコの一人の警官の描写を入れることで、メキシコで麻薬カルテルが一般に浸透していることを上手く表現していたと考えます。
激しい暴力のある映画ですが、メキシコの砂漠のようにカラッとしたテイストなので、お勧めです。
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