2021年3月28日BS録画鑑賞
最初は苦行だと思った、最後の解説的な話を観るまでずっとこの苦行に耐えるのは困難だと思いました。しかし、日本人の宗教観とキリスト教の真理の違いを上手く説明する最後クライマックスとその後主人公がどうなったかの話の部分で、結局幕府は個人の宗教観にさほど関心が無く、集団として和を乱さず持っている知識を吸収できるなら受け入れるという本音と建て前のはっきりと分かれた価値観に気づくというところが、とても日本的で感心しました。
それと、日本人がとても勤勉で宣教師のこと、異国の情勢にも通じたうえで鎖国し、都合の良い部分だけ享受するという正月もクリスマスも祝う変な国としての日本を文学的に解説する良い話でした。
物語は、棄教したと噂の神父さんを師と慕う弟子が真相究明のため日本へ行き、そこで驚愕の体験をする話です。
超長い話なので、なかなか集中力を保つのが大変でした。
概ね5部構成で�[肯�ちから日本での潜伏生活��厳しい弾圧��説得�ご�教�ヅ針�となります。
�[肯�ちから日本での潜伏生活
窪塚洋介の風貌がモロにキリストっぽくて完全にはまっていました。それとどんなにお金をかけても日本の農村というより東南アジアっぽく見えるのは、若干職業病かなと思ったりします。ここで日本のキリスト教徒との生活が描かれ、何となく宗教観の違いに違和感を覚えつつ主人公達はキリスト教伝道師としての生活と役人の影に怯える日々を過ごします。
��厳しい弾圧
風の噂で伝わったのか、村に役人が来て踏絵を強要や匿った村人の死、逃亡生活からの山狩りによりついに捕まり、長崎の奉行所へ連れてかれます。ここで日本の町の風景が描かれるのですが、結構しっかりとしたセットで、完成度の高さに驚きました。
それと塚本晋也の体重を落とした役者魂に感服しました。
��説得
「形だけでいいから」とか「今だけだから」等あらゆる手段で説得を試み、信徒達を転ばせようとします。三食飯付ときどき処刑見物をできる退屈しない良い環境でジャパンライフを楽しむ主人公の様子を延々見せられることになります。それとリーアム・ニーソン演じる尊師との対面シーンでの問答も日本人的にはストライクでした。特に「神の息子」を日本語で「大日」と訳す話は、日本人の宗教観の根本であり自然現象に神を見出す発想自体欧米に無いという目からうろこが落ちる内容でした。
なお、井上様との禅問答(四人の妻)はスペイン、イギリス、オランダ、ポルトガルのうち誰と付き合うかという話で、日本は宗教的に比較的緩かったオランダと手を組むのですが、主人公の回答「誰がではなく、愛があることが重要」は、キリスト教の教義に忠実で国ではなくキリスト教の方が大事という意味に受け取りました。
�ご�教
キリスト教の教えに従っても目の前で拷問される信徒を救えないことに絶望し、結果的に日本という沼にキリスト教の樹は根付かなかったと悟る。拷問を視覚的に見せるのではなく劇中犬の声という表現を使っていましたがうめき声で気づかせる演出も上手いと感じました。
�ヅ針�
日本側の犬として貿易に来るオランダ船の検査(十字架のあるモノを見つける)に協力、日本名や妻等をあてがわれ日本人として活動する様子、それと死に際し守り刀と称して妻が内緒で十字架を入れて終わるという若干蛇足な演出で物語は結末を迎えます。
長い映画で正直もう観ないと思いましたが、日本人を観察する意味ではお勧めです。
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