2018年12月16日(劇場鑑賞)
怖い、マジで恐怖、この映画体験を劇場で出来たことは素直に良かったです。
物語は、女家長(祖母)エレンの死をきっかけに、グラハム一家は怪現象に苛まれるようになるという話です。
まず映画としての巧妙な作りに感心しました。
冒頭のミニチュアかと思ったら実写の部屋だったという場面に対して、ラストの実写からミニチュアの部屋へと場面が映っていくという、虚構と現実をシームレスに移動してく感じが、この映画における現実世界に悪魔の手のひらで踊らされている感じととても合っていました。
悪魔の紋様の施されたメダルや、血で書かれたり木の電柱や机に掘られた紋様により、悪魔の存在がこの家族の周りに存在することを意識させる丁寧な演出や、妹の印象的な口を鳴らす音だけで、観客を恐怖のどん底に突き落とす監督の手腕(新人監督と聞きさらに驚いた)に驚かされました。
この一族に生まれる男性は、悪魔の受け皿としての役割を担うことが徐々に明かされていくのですが、そのことを様々な台詞で語られます。
例えば妹が祖母との思い出を語り、「男の子になって欲しい」と言われていたり。
母親が兄の自殺を語るシーンで、遺書に「母が自分の中に何かを入れようとした」と書かれていたと語ったりします。
それと、悪魔が現れるシーンで印象的に使われる光の波の演出は、とても新鮮な描写だと感じました。
また、タイトルのhereditaryとは「遺伝的な、世襲の、親譲りの、代々の」という意味で、「継承」と合わせてこの映画の本質を良く表していると感じました。
この映画はできるだけ客のいない映画館のレイトショーで観るのがお勧めです。
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