スターリニスト中国のゴム印議会の全人代(全国人民代議員大会)が5日から開幕した(写真=習近平に拍手を送る香港の林鄭月娥=後列右から2人目=と元長官の董建華=前列右端)。
◎立候補者は「愛国者」に限定し、民主派排除
今回、ここで「審議」される最も重要な案件は、名実共に香港の一国二制度を葬り去る案件だ。
習近平らは、香港政府トップの行政長官や立法会(議会)議員の選挙制度を見直し、民主派を徹底的に排除する方針だ。立法会の直接選挙枠の選挙に立候補できるのは、中国共産党の推薦する選挙委員会に指名された「愛国者」だけで、前職の穏健民主派すら候補から排除される。しかもその直接選挙枠にしても、定数90のうち20議席に減らされる。
引き続いて行政長官は、選挙委員会で選ばれるが、ここに民主派が入り込む余地はない。
つまり香港で、公正な選挙が行われることは、もうなくなった。
◎共産党の翼賛議会で弾圧法案を法律化へ
全人代常務委副委員長の王晨は、「これが香港の特色ある民主制度だ」とうそぶいているが、まさに戦前日本の翼賛議会、現スターリニスト中国の全人代の香港版である。
この制度が導入されれば、香港立法会でスターリニスト中国の命令する法案は、1人の反対もない全会一致で可決されるだろう。
そうした翼賛議会=全人代の香港版議会で、民主派弾圧、掃蕩法が次々と法律化され、誰もスターリニスト中国を批判できなくなる。もう香港は、スターリニスト中国と一体化されたも同然だ。
◎区議の8割の民主化も大量排除へ
その先触れとして、スターリニスト中国の傀儡の香港政府は去る2月23日、地方議会に当たり、2年前の11月、民主派が8割当選と圧勝した(19年11月27日付日記:「香港区議選で山が動き、共産党政府によるウイグル族弾圧の重要機密文書も流出」を参照)区議会の議員に、政府への忠誠などの宣誓を義務づける条例改正案を発表した。
民主派の議員の大部分は、その言動によって宣誓違反とされ、大量に区議資格の取り消しになる恐れが濃厚だ。
◎民主派指導者47人を国安法の政権転覆罪で起訴
また先月末、逮捕されていた黄之鋒氏(下の写真の上)ら47人の民主派指導者が、香港国家安全維持法の国家政権転覆罪で起訴され、1日から公判が始まった(下の写真の下=起訴されて警察署に出頭した民主派ベテランの戴耀廷氏)。
容疑は、延期されている立法会選挙に向けて昨年7月に実施された予備選(20年7月17日付日記:「香港住民61万人がスターリニスト中国と香港政府の恫喝を蹴って立法会選の予備選を盛況に敢行」を参照)が政権の転覆に当たるというものだ。起訴者には穏健な民主派も含まれている。
同法の国家政権転覆罪の最高刑は終身刑であり、しかも保釈も厳しく制約されている。
まさに暗黒社会化の様相だ。
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