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2020年11月29日20:42

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今週のオークラ

 上野オークラで清水大敬監督の新作「未亡人下宿?その4 今昔タマタマ数え歌」を観る。最近非ピンク映画的な題名もあるが、大敬組は古いピンク映画の題名を継承している。
 そして内容も「未亡人下宿」を継承している。今回は昭和、平成、令和と過去から現在までの未亡人下宿を描いている。昭和の時点で、「未亡人下宿前」のバス停があり、新たに下宿人となる尾崎君は、卒業時に未亡人の「ご褒美」があることを知っている。既に未亡人下宿は伝説化している。これは現在の視点だ。
 昭和のパートは、フランキー岡村さんのコメディ演技や、借金取りと和解する展開など、最もオリジナルに近い。
 平成での尾崎君を車ではねた未亡人の、献身を越えた被虐性が珍しい。シリアスなタッチは不況の平成を象徴しているのか。それでもハッピーエンドなのは、これもシリーズの継承だろう。
 令和になると、未亡人下宿は更地となり、バス停も記念碑として残るのみ。しかし未亡人下宿はシェアハウスとなって存続。しかしほぼ未亡人の回想で、令和の話はほとんどなく、令和の尾崎君は活躍の場がない。
 話が昭和と繋がり、未亡人同士のの思わぬ血縁関係に驚く。平成とは繋がっていないが、赤いコートが継承されている。
 「未亡人下宿」の現代につなげる大敬監督の姿勢は面白い。しかし意味不明の演出があったりでややだれる。下宿人が尾崎君しかいないのも寂しい。昭和でのかつての近所の男との再会、令和での父と娘の再会は、この手の映画では許されるが、男が夫を死に追いやったレスラーであることになぜ気づかない。そしてミニスカートを煽りで撮る演出は、前作でも多いと感じたが、今回はもっと多く、マンネリ化した感がある。
 欠点は目立つのだが、最後の監督自ら熱唱する主題歌に乗り、3人の未亡人が踊るのは苦笑しつつも楽しかった。今年の大敬監督作としては、楽しめる作品。
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