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2019年12月11日22:09

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旧作

 シネロマン池袋で和泉聖治監督84年作品「股間連発テクニック」を観る。「オン・ザ・ロード」は好きな映画なのだが、なぜかこの作品は公開時に見逃した。売れないイラストレーターと契約結婚をしているヒロイン。しかし男は自分の才能に見切りをつけ、実家の勧めで見合いをすると告げられる。動揺したヒロインは、上司と関係を持ち、そこから転落が始まる。
 契約結婚とは、今観ては当然だが、当時としても違和感を持っただろう。話の展開も古めかしい。妹の彼氏と関係を持ってしまうのも唐突で、最後は性的に解放されるハッピーエンドかもしれないが、感情が伝わらない。和泉監督よりも、脚本の木俣尭喬監督作を観ているよう。
 「白衣大発情 セックスは地球を救う」(公開題『ピンサロ病院2 ノーパン女医』)は、北沢幸雄監督98年作品。当時は映画を観ていないころで、この作品も初見。走る男を手持ちカメラで追うタイトルバックは、画面だけでなくタイトルまで揺れるし、見づらくて嫌だと思った。しかし本編は面白い。
 彗星が地球に衝突し、人類滅亡が噂される近未来。主人公の青年は病院に拉致されてくる。セックスの快感によって生じる念力、セックスサイコキネシスの相手役に選ばれたのだ。この能力を世界中で発動させることで、彗星の軌道を変えようとするわけだ。
 SFだが、世を拗ねて冷笑的青年と、自らをミュータントとする女性との恋愛に収斂していく。病院にはほかにもセックスサイコキネシスの男女がいて、セックスを繰り返す。セックスは奨励されていて、女性はノーパンがルール。ところが本番近くなると、貞操帯をはめるのが面白い。他にもなかみつせいじ院長や佐々木基子婦長のキャラクターなど、ユーモアがあるのもいい。
 近未来的な建物などでロケしていることで、低予算ながらSF的雰囲気を盛り上げているのがいい。助監督の城定秀夫監督と、堀禎一監督のロケハンの功績か。青年が人生の目的を見つける幕切れも爽やかで、楽しめる作品。
 深町章監督90年作品「ザ・欲望産業 思いっきり出して」は、冒頭に「地震に関するコメディタッチの表現がある」との注意書きが出る。震災の後に再公開した時に入れたのか。
 セックスカウンセラーが、セックスお助けマンとなり、悩みを解決する気楽なコメディ。最後に地震が起きるが、あまり重要ではない。私としては、石川恵美さんが懐かしい。亀有名画座の舞台挨拶などで何度かお見掛けしたが、実に楽しいお姉さんだった。
 この映画でも久須美欽一と「漫才」をしている。映画の出来は、この作品含め出来は良くなかったが、あの個性を最も生かしたのは深町監督ではなかったか。
 他にも橋本杏子さんはもちろん、実相寺昭雄組の加賀恵子さんなど、タイムマシン効果はあった。
 
 
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