幼い頃から、目にしてきた文章の中で、忘れられない短い
文章があります。
広島の平和公園資料館で、真っ黒に焦げた弁当の側に添え
られていたシゲ子さんというお母さんの文章です。
「八月六日、午前七時。米と麦と大豆の混合飯に、ジャガ
イモ千切りの油炒め。こんな弁当を、ああうれしと持って
出て食べずに腹の下にして亡くなっていました。
ああ無残。頭と顔の骨でわかりました」
これだけの文章ですが、これを読んで以来、人生に起こる
どんな難関でも、そのままに受け止め、食べ物をはじめ、
あらゆることに不平を言うまいと決めました。
それから数十年たっています。
この人生、一時間後には何が起こるか解らんぞ!という覚
悟もこの文章で得ることが出来ています。
「ああうれし」といった少年は、中学校2年生だったでし
ょうか。
少年の笑顔。お母さんのモンペ姿。貴重だったでしょう油
でジャガイモを炒めている表情まで、浮かびます。
今日は、あの広島原子爆弾の日。
ひたすら、広島の空に向かって手を合わして過ごしました!
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