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2015年01月26日18:13

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分裂病の原因と治療

赤子は未だ自我が脆弱だから、自分が感じていることに対して共感を示してくれる誰かがいなければ自分の感覚を信じられず意識下へ却下してしまう。

「あなたが感じていることをわたしも感じているよ。」と誰かが言ってくれなければ無意識を意識化できない。

だから意識のレベルは言葉のやりとりを通じて初めて成立するのだけど、子の発言に対して「うんうん、そうだね。」と同意を示してくれる母親が傍らにいて初めて、心で感じていたことに対して母親からそれが事実であるという自信を与えられて(つまり子が自分の正しさを確信できて)、心で感じているレベルが頭で考えているレベルにまで高まる、というふうに、下から上への高さの次元が草の根的に自然発生するのだ。

逆に、親によって発言を頭ごなしに否定されながら育った子は、原体験が「下からの改革」でなく「上からの改革」だから、自分が感じていることに気付くことのできない、分裂病患者になるだろう。

つまり、もしも親が一方的に考えを押し付けるだけで子に発言権が与えられなかった場合は、意識上では考えていることを意識下では感じていないという分裂のために、知性から言葉にその意味を感じる感性が欠落していて言語感覚が麻痺している、という状態が常態になるだろう。

このように、付け焼き刃になっていて身に付いていない言葉がやがて剥がれ落ちるときが分裂病の発病だ。

言葉にその意味を感じることができないことを、言葉とその意味が分裂しているという意味で、分裂病と言う。

実感に裏付けられていない考えは誤りに陥りやすいから、感性と知性が分裂している分裂病患者の喋る言葉は支離滅裂になるのだ。

言い換えれば、分裂病患者においては、言葉の組み合わせの体系としての思考は妄想になる。

分裂病患者においては、このように言葉とその意味の一対一の対応が成り立っていない。

一対零の対応をなしていて、言葉が無意味記号に堕してしまっている、陰性症状期もあれば、知性によって意識下にずっと抑圧されていた、感性が、感情となって理性をかなぐり捨てて一挙に意識上に噴出してきていて、言葉とその意味が一対多の対応をなしていて、言葉が二重三重の意味を同時に担ってしまっている、陽性症状期もある。

陰性症状期とは外的自己が表に現れている時期で、陽性症状期とは内的自己が表面化している時期だ。

このように、人間においては、言葉が、外的強制力で植え付けられたものでない、内発的な表現欲から発せられるものである場合に、外的自己と内的自己という二つに自己分裂しているのでない、一つの自我が、形成される。

自我を形成するとは外圧に負けて抑圧されるということのない強い内的自己を形成することである(インナーチャイルドの育て直しとはこのことを指して言っているのである)。

分裂病というのは対人恐怖症の重症化したものだと言われることがあるように、分裂病の病前性格として気が弱いということが挙げられるけど、気の弱さを克服して強い人になることこそ、分裂病の治療の最終目標である。
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