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2022年06月25日23:40

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【展覧会】篠田桃紅展(東京オペラシティアートギャラリー)

絵画はほとんどが直線で構成されている。色数が少なく、抑制された雰囲気。大胆で斬新で日本的。
そう、日本的なのだ。どの作品も皆、着物や帯の柄はもちろん、花器や茶碗の文様にも、もちろん屏風や襖絵にもなりそうだ。
桃紅の作品に日本人の理想の精神性を感じる。

迷いのない直線には潔さがある。連想するのは、無駄のない所作や日本刀。
渋い色使いだが、金泥や銀泥を用いてあるので、実は豪華。
桃紅のこれらの作品は何と表現すればいいのだろう。禅や武士道のイメージを一言で表す言葉はあるのだろうか。
「華美」ではない。ではその反対語の「質素」「質実」かというと、それも違う。禁欲的、瞑想的な宗教性は感じられない。だが、土俗的あるいは庶民的でもない。
もっと上質で、洗練されていて、研ぎ澄まされている。

暇つぶしのつもりで訪れた展覧会。しかし、かなり見応えがあり、作品の感想を伝えたくても伝えられない自分の語彙不足に悶々としながら、思いがけず長い時間を過ごしていた。

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