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2021年01月30日03:01

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少女〈きみ〉のうた

少女〈きみ〉のうた


薄墨の 画(え)に
描かれた 少女〈きみ〉の うしろ姿は
いつまでも見ていたい けしきだった
お日さまは柔らかく 背の高い枯れ草を遠巻きに
風を吹かせていたし
こっくりこくりと いつまでも眠れる湖水のさざなみのように
耳に聞こえぬほどの 澄んだ音を立てた街の灯のように
生まれては消え 生まれては消え
遠のいては寄りついて 二度ともどらぬ 意識のように
うたを歌わせていた
神の愛したうしろ姿だった
夕日さえ涕(なみだ)するほどの。


指田悠志
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