陽の当たるお爺さんのうた陽の当たる ところに毛が生えてお爺さんが 生まれましたお爺さんは 赤ちゃんです陽だまりと言われている場所に寝ています 坐ったままお爺さんにも 青春があって人を殺した思い出がときどき甦ります沢山のひとを殺し勲章をもらっ
梅の花梅の花の前で生きる 居場所をかんがえた時計に左右されず梅の花のように 咲けたら いいのに梅は 咲きたいときに咲き散りたいときに散る急かすものはいないまた 仮に 急かされてもそんなものの 言うことを聞く 梅はいない咲くも 咲かぬも 梅次
霜夜の蚊心細げに生きている霜夜の蚊を みつめるその羽音に おまえの心は顕われるああ おまえはおれのように 途方にくれおれのように 翅を震わせているのだ人の血を 盗む甲斐性もなくまっとうにも 生きられずかと言って死ぬことすら 叶わずにそうやっ
清水のうた岩(いし)に清水(ひかり)がうまれる池(うみ)をゆったりとみどりの魚(うお)がおよいでいるそれゆえ漣(おおなみ)に揺すられている淡(にぶ)い 淡い ひかりが水のかなしい とうとい澪(みお)が魚の背(そびら)に生まれているひかりよ ひかりよさびしい
錐の穴水のおとが恋しくてその音の方へ 歩こうとした僕声が出せなくて 立ちつくした昨日には さよなら問いかけるなぜあんなに遠い幾千万光年というはるかなむかしの 星のひかりなのにこうしてこの地球上の小さな生命体〈自分〉には見えるのか僕の眼は な
路 うしろに伸びたおそろしい 路のかたわらに立たされ息すらも凍えたありさまのままぼくは生きていた ぼくの心の 上澄みを蒼空が 覆う水が 覆う生きているのに 息苦しいのは立たされているからだということに半世紀以上 生きてきてやっと気づいた戸惑
虹の時間しいん虹の時間虹は十色誰かに見せたかった けれどだあれもいない雲霞しいんぼくはもう 家族がいない午後虹の時間ぼくは死んでしまわないためにあおむけに寝 天井を見つめたしいん虹の時間の終りに表へ出て 虹を観ようとけれども 虹はなかったど
氷の世界ちりーんからーんころーんよくある消防署の 火の用心の鈴の音ぼくはその時 息を止める息をしてはいけないような気がして夕べ浸かった湯に沈んでしまいたかっただから 洟をかむ貧しいモーツァルトは石炭を買う金もなく妻と抱き合って冬を過ごしたと
ぼくは星になってしまった。日に日に月が虧けてゆくこのゴンドラの水辺に意地になって見えない刃と闘った海海海ぼくは死ななかった死ねそうになかったどうすれば彼方という土地に行けるのかぼくはそんなことすら知らなかったああぼくは星を食べて 小さくなっ
挫折していた村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」を読みかえしています。3分の1ほど読みおえましたが、けっこうハードボイルド、ワイルドな小説です。あと今村夏子の「星の子」、長嶋有の「ぼくは落ち着きがない」、堀江敏幸の「その姿の消し方」読了。
昨年暮れに、右下の親知らずが少し欠けて、疼くので、通いつけの歯科に行くようになったのですが、そこの先生(名医です)がおっしゃるには、歯の感覚神経には「痛いか、痛くないか」の〈痛覚〉しかなく、歯が痛いからと言って、簡単に神経を抜いてしまうのは
つい最近、というか、今も読んでいるのですが、長嶋有の「もう生まれたくない」を読んでいて、作中にスティーヴ・ジョブズが亡くなったことが書かれていて、この記述で初めてこのIT業界の巨人が死んだことを知りました。10年も前に亡くなっていたのに知らなか
夜明けの海が見たくて夜明けの海が 見たくて愛車に乗って出かけた朝まだき 月が吊り下げられた空を暗黙の雲がよぎるふと思い描いた きみのまなざしを夜空に浮かべて 見ていた恋とは悲しいものほど うつくしい。指田悠志
このぶらんこに日向ぼっこのために神さまがとっといてくれたこのぶらんこになみだの子が ひとり暮れなずんでいるこどもって 痛くてかなしい現代は かなしい時代 だからかなしいしわ寄せが こどもに来るこどもが毀れてしまう そのまえに日向ぼっこの 広
宇宙辞書宇宙辞書の その混沌に四次元の 糸 垂れている宇宙辞書の 右脳の果てに無意味な 律詩 掲げよう宇宙辞書の 光の闇に薄紙のいのち 漂える宇宙辞書の その国に犬が首吊る 紐がある宇宙辞書とは そこにある宇宙辞書とは 砂々漠々宇宙辞書とは
水島新司が82歳で死去、「あぶさん」「ドカベン」「野球狂の詩」などhttps://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=86&from=diary&id=6815572ドカベンに登場する投手を見ていると、水島氏がいかに江川卓の存在に衝撃を受けていたかわかる。それも高校時代の江
ちょこん。大空の下のちっぽけなビニールハウスの中のちょこんいちごにしゃがんだ帽子の子はだあれ?あの子どこかで見たような春を待つ ハウスの緑いちごも春を待っている瞳 瞳いたいけな瞳たちもいちごのように 春を待っている大空の下のちっぽけなビニー
■求む!UFO研究所の職員 「里」として地域おこし取り組む福島市(朝日新聞デジタル - 01月14日 12:04)https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6812481Aさん:宇宙人と宇宙を愛したいひとに一人旅のつもりだったかれは宇宙空間を旅し
あなたとぼくあなたのこしらえたものがたりを 読むほどにぼくの人生が 色づいてゆくことをあなたは ご存知だろうかあなたの編んだことばを あじわうほどにことだまが 沁みてゆくことをぼくの五感は 気づいているぼくが誰でどこから来たのかあなたは知ら
おもちおもちを焼いてたべるきたかぜの すさぶつらい よるすこし すねたきもちでたべるお父さんもお母さんも死んじゃったおもちを 焼いて たべるおしょうゆと 焼きのりのかおるすこし しょっぱい おもち世界じゅうに風邪が流行っている風邪でしぬひと
近世(金星)の蒼空ぼくが生きてきた摂氏15度の世界はいつしか喉も嗄れるほど絶望的に 乾ききっていた争い・諍いなど無益なもので自分の世界を穢したくはなかった水に潜った魚水草(みくさ)あるいは鳰(にお)僕は思いのままに自在に姿を変え生きようとした自由に