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2020年11月22日13:52

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【オペラ】アルマゲドンの夢(新国立劇場)

映像が多用され、鏡によって増幅する。銃を持った人々が街を走り、戦闘機が逃げ惑う人々に爆弾を落とし、走る列車の窓を景色が流れていく。オペラではなくドキュメンタリー映画を見ている錯覚に陥る。
そして、その映像はたまに生々しい。お高くとまっているイメージのオペラもついにベッドシーンや血まみれ死体の映像を導入する時代になったか・・・。
ストーリーは私には難解だった。夢の中の物語なのだから、とりとめがなくてよいのだけれど、つい意味を考えてしまう。奇抜な衣装も理解が難しい。性別を無視した衣装が表現しようとしているのは、何なのだろう。自由?何からの自由なの?
ただ、間違いなく言えるのは、いつの時代でもどの地域でも、世の中が不安に満ち溢れると、ジョンソンのようなカリスマが登場して人々を扇動するということだ。

日本人作曲家への創作委嘱作品、世界初演。外国人キャストとスタッフは早めに来日して2週間の自主隔離を経てリハーサルに参加したとのこと。公演にかける強い意気込みを感じる。
このオペラはコロナ禍を見越して作られたわけではないとは思うが、それにしても何というタイミングで上演されるのだろうか。今、世界中を覆っている不安と、その不安が行き着く先は、クーパーだけの夢ではなく、全世界の人々にとっての悪夢になるのかもしれない。



作曲:藤倉 大
演出:リディア・シュタイアー
指揮:大野和士
クーパー・ヒードン:ピーター・タンジッツ
フォートナム・ロスコー/ジョンソン・イーヴシャム:セス・カリコ
ベラ・ロッジア:ジェシカ・アゾーディ
インスペクター:加納悦子
歌手/冷笑者:望月哲也
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