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2020年08月09日07:53

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週記507 未来

 未来というものはある時は明確に見えているような気がしたり、またある時はお先真っ暗で未来自体がないように感じたりと実に不確かなものです。

例えば、彼女との結婚が決まれば先々の明るい未来の存在の予感を感じますが、彼女にもいつ会えるかわからず体調不良な時は不安の種でしかありません。

 でも考えてみればそれは随分と人間の身勝手というもので、劇作家カーリダーサの言う予感に過ぎない未来に漠然と不安を感じたり、或いは幸福感や充実感を感じるのは全ては人間の都合にすぎません。

予感を楽しんだり、或いは不安がったりするのは人間だけでしょう。

とすれば、未来という言葉の持つ不確かさというのは捉え方の違いと言ってもいいかもしれません。

何故ならその不確かなものに感情という形を与えるのは人間の捉え方だからです。

それなら楽観と言うのは未来を前向きに受け止めるいい行いなのかもしれないと思った今日この頃。

以上

【Short Story】
・余生の過ごし方
「あと5分ほどで名古屋に着きます」
 過去何度も聞いてきた車内アナウンスはどこが死刑宣告じみて聞こえた。
 東京へ向かう夜の新幹線は疲れたサラリーマンたちが食べた駅弁の匂いが籠もっていた。窓の外は雨が降ってるらしく水滴が時折真横に流れていくのが見えた。その直線的な流れは時間の進みを早送りしているようだ。何を急いでいるのか、水滴の軌跡は何も語らない。
 ふと胸に違和感が迫り上がってきて俺は咳き込む。心臓が不規則に脈動する。少し離れたところに座っているサラリーマンが嫌そうな顔でこっちを一瞥した。別に好きで咳き込んでいるわけじゃない。胸の奥に巣食う病魔が俺の寿命を喰らったのだ。
 俺は手術を受けに行くこの道が、どうにも死へのグリーンマイルを歩んでいるような気がしてならない。避けられない人生の終着点に向かうことが有意義な余生の過ごし方なのだろうか?
 そう思った時、弱った病人のように力をなくしていた体が勝手に動いて新幹線から降りていた。荷物は全部置いてきた。プシュー、と背後でドアが閉まる音。俺は知らない街を駆け出していた。
 心臓がバクバクと音を立てている。身体中から汗が噴き出す。夏の夜風が気持ちよかった。
 当てのない疾走をいつまでも続けられるような気がしていたが、気がつけば見知らぬ海岸のベンチで仰向けになっていた。額から流れ落ちる汗が目に入って浸みた。今夜は暖かいから、このまま朝までここで寝てしまってもいいかもしれない。久しぶりの気持ちの良い夜だった。
 雁字搦めの最適解よりも、自分で選んだ出来の悪い回答の方が余生の過ごし方にはいい気がした。

【最近のGratitude】
・for yell
This week I made presentation in large meeting. I did a lot of time to do presentation practice. During that time my girlfriend gave me yells. I appreciate that, so much.
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