耳鳴りと整体

ある日の夜、そして朝、左耳の軽い耳鳴りが気になった。
起きると、周りの音もあるので気にならなくなり、静かな場所に行っても大丈夫。
この感じがしばらく続き、枕を自作で試行錯誤するなどしていたのだが、ある朝、1キロヘルツの正弦波みたいなキーンという音がハッキリした。慌てて起きて、いろいろやっているうちに収まった。

オーディオマニアとしては捨て置けない事態である。

ネット検索でいろいろ調べていると、整体のブログで、耳鳴りについて自信たっぷりに書いているものがあった。
しかも意外にけっこう近所だったのだが、仕事をしている身なので、なかなか行くことはできない。

職場の近くで、耳鼻科よりはマッサージのほうがすぐだったので、行ったら予約いっぱいで断られた。
もう少し歩くと整骨院というのがあり、飛び込みで話をきくと、国家資格のある人でやっていて、保険もきくという。
30分ぐらいで済むというので、早速さわっていただいた。

このときは50代ぐらいの達人みたいな人で、めちゃくちゃ凝っていて、姿勢もすごい悪いと言われた。
で、このあたりの塊をほぐして通してやれば大丈夫ですよ、と心強い言葉。
さわるだけでなんでそこまでわかるんだと圧倒される。
また、突起のある軽いハリをテープで2か所貼られた。

「身体がバランスを崩して、耳鳴りというかたちで知らせてきてるので、きいてあげましょうよ」というようなことを言われた。

夜に首のところをさわってみると、グニャグニャした感じで、自分の首でないようだ。いかにもほぐれている。
また、好転反応といって、気だるいような独特の感じが背中の筋肉にあり、いかにも動かしてない部分が久々に動いた感があった。

実際、その日を境に、大きな耳鳴りは再発せず、夜の小さなものもほぼなくなった。

ただ、因果関係として言うと、この話はできすぎで、その後わかってきたのは、かみ合わせの問題。
現在10年ぶりぐらいに奥歯を中心に歯の詰め物を入れ替えていて、2週間とか20日とか仮詰めみたいな状態で過ごして次のステップで、みたいなのを4か月もやっていた。
直接の因果関係でいうと、こちらのほうが怪しい。
ちょうど、何日か前に最後のかみ合わせ調整が終わり、いまは好調でもちろん耳鳴りもない。

もともと、夜間の食いしばり？で奥歯がヒビが入って神経が死んだということがあり、マウスピースをして寝ている。
意識しないところで、顎関節系に問題があるのだ。
このあたりが耳に影響があるようだとわかってきた。

なんにせよ、耳のことだから耳から考えるのが西洋医学的アプローチとするなら、とにかく全体・全身から触っていくのが東洋医学的というか。

私は、「北斗の拳」のマンガ化された秘孔とか、オウム真理教とかの世代なので、東洋医学には警戒があったが、今回えらく感心してしまった。
逆に、オウムでも、ガチガチに西洋医学だけで考えていたエリートが、行き詰ってヨガに出合うというのは、実はかなりわかりやすいストーリーだったのかもしれない。

保険はきかないが、すすめられた鍼治療をいちどやってみようかなと思っている。
好奇心だが、いつまたバランスを崩すかもしれないし、耳が良くなったりしたらもうけもの。耳以外にもよさそうだ。