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2018年04月23日01:57

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北朝鮮ならず者集団が電撃的に発表した核実験やICBM試射の中止は、全く評価に値しない「朝三暮四」

 21日早朝、安倍首相とトランプ大統領との日米首脳の主要議題となった近く行われる米朝会談について楽観できないことの論評をアップしたその直後、北朝鮮ならず者集団は唐突に同日から核実験やICBMの発射実験を中止すると発表した。

◎「朝三暮四」の発表
 この発表を受けて、日本、韓国などのおめでたい人たちは、画期的な北朝鮮の歩み寄りと評価したが、僕には全く評価に値しないものにしか思えなかった。
 世に「朝三暮四」という故事成語がある。目前の差にこだわり、結局は同じ結果なのに気がつかないことを言う。または言葉だけうまく話して他人をごまかすことも指す。
 由来は、昔、宋の狙公が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に3つ、暮れに4つやると言うとサルが少ないと怒ったため、朝に4つ、暮れに3つやると言うと一転して大いに喜んだという故事にある。
 つまり朝・晩7つのトチの実という実態は変わらないのに、譲歩したように見せかけた言葉に騙されたサルを嘲笑っているのだ。

◎ICBM試射はしないが日韓狙う短距離ミサイルには言及せず
 北朝鮮ならず者集団の21日の発表も、朝三暮四そのもの、と言える。
 発表の目玉は、核戦力が完成したので核実験や中距離ミサイル、ICBM発射実験は不必要になった(からやらない)、したがって豊渓里の核実験場を廃棄する、核実験中止は世界の核軍縮の重要な過程である、核兵器は絶対に使わないし、核兵器・核技術の移転はしない――というものだ。
 上記の発表には、日本と韓国を狙う短距離ミサイルの実験中止は含まれていない。つまり核での恫喝は従来どおり、ということだ。

◎使い物にならない核実験場を放棄しただけ、従来の「核軍縮」交渉を主張
 また豊渓里核実験場は、度重なる核実験で、漏れ出た放射能で核汚染され、また崩壊しかかっている(17年11月5日付日記:「北朝鮮の豊渓里地下核実験場が崩落の危機、大規模な放射能汚染の恐れか」を参照)。もう使い物にならないから、放棄しただけだ。
 核不使用とは言っても、核廃棄とは一言も言っていない。つまり核武装は解かない、との宣言である。米朝会談の主眼は、北朝鮮ならず者集団の年来の主張である「核武装した上での米朝間の核軍縮」ということに他ならない。自分の玩具のようなチャチな核とICBMで、アメリカの高度な核装備の武装解除を要求するというまことに厚かましい要求をちらつかせているのだ。

◎そもそも新味なし
 まだ安倍首相が訪米して行われた先の日米首脳会談で、絶対に必要で譲れない「完全、かつ検証可能で、不可逆的な非核化(CVID)」には全く触れていない。そのつもりがない、ということだ。
 そもそもこの発表に、新味など全くない。核実験とICBMの発射中止は、韓国の文在寅の特使が平壌を訪れた時、金正恩が口にしていたことだ。アメリカは新味なし、として黙殺した。
 文在寅との会談を数日内に控え、いかにも重々しく発表し、文在寅を籠絡する手に他ならない。

◎トランプ大統領も幻惑?が心配
 少し心配なのは、トランプ大統領も幻惑されているとも取れることだ。北朝鮮ならず者集団の発表を受けて、即座に「大きな進展だ! 首脳会談が楽しみだ」という評価する書き込みを、お得意のツイッターに投稿していることだ。
 これで、金正恩の「核軍縮」交渉に引きずり込まれれば、実りのない長談義が延々と続き、その間に北朝鮮ならず者集団はアメリカ東部をも射程に入れる核搭載のICBMを完成させるだろう。
 これまで金正日がクリントン大統領とブッシュ大統領を騙し続けてきたことと同じ手である。
 やはり食えない男である、金正恩は。

昨年の今日の日記:「ロシアのサイバー攻撃とフェイクニュースによるデマ攻撃を浴びる西欧;今日のフランス大統領選は?」

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