mixiユーザー(id:735114)

2017年10月15日14:27

127 view

【オペラ】神々の黄昏(新国立劇場)

6時間(休憩込み)の舞台をまともに見る気はない。「ニーベルングの指環」の世界観を理解したいとも思わない。私が欲しいのは「リングを通して見た」という事実だけ。とはいえ、2016年「ローエングリン」オルトルート役で強烈な悪役オーラが印象的だったペトラ・ラングの姿を本公演のブリュンヒルデ役で再び目にすることができるのは楽しみでもあった。

今回の公演は期待していたレベルのパワフルさは無く、全体的に落ち着いた感じで、それはそれでとても良かった。
ジークフリートが忘れ薬によってブリュンヒルデのことだけを忘れてしまうというのがあまりに都合が良すぎて納得できないけれど、ジークフリートを火葬する炎がヴァルハル城をも焼き滅ぼしてしまうことを示すラストの演出は素晴らしかった。
オーケストラはたまに「あれ?」と思うところもあったが、プロとはいえ人間だから仕方がない。それよりも、第1幕120分、第2幕70分、第3幕85分を演奏し続けていることがすごい。同じくこの間、振りっぱなしの指揮者もすごい。
観客の質が良かったことも記載しておきたい。

私が初めて「神々の黄昏」を体験したのは、オペラを見るようになって数年経った2006年。6時間以上も劇場にいなければならないこと、40分以上の休憩時間があることを知り、オペラの壮大さに衝撃を受けた思い出の舞台だ。それにしても、何だかんだで10回以上ワーグナーを見ているのに未だに興味が持てず、しかしワーグナーの長編オペラに鍛えられて今に至っていることを思うと、複雑な心境になる。やはりワーグナーは奥が深いのか・・・?

2015/2016年のシーズンからスタートした新国立劇場のリングは完結したが、2017/2018年シーズンは本公演からスタート、しかも今シーズンは開場20周年ということで華やかな公演が予定されている。私のオペラシーズンがまた始まった。



演出:ゲッツ・フリードリヒ
指揮:飯守泰次郎
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する