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2016年10月13日17:21

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【展覧会】ゴッホとゴーギャン展(東京都美術館)

展覧会のチラシに「この二人の画家に焦点を当てた、日本初となる展覧会」と記載されていた。日本初って、本当? この手の企画はしゅっちゅう開催されているように感じるけど・・・。
ゴッホとゴーギャンというだけで混雑必至、個人的にゴッホとゴーギャンが特に好きというわけでもなし、普通ならスルーしてしまうところだが、チラシの「最高傑作、来日。それぞれの「収穫」」という文字列に惹かれて、美術館へ。

ゴッホとゴーギャンのそれぞれの「収穫」は並んで展示されていた。
ゴッホの「収穫」は、まさに傑作! 自分自身が金色の畑を見下ろす高台に立って広々とした景色を眺めているかのよう。秋の強い日差しと冷涼で澄んだ空気がリアルに感じられ、美しく力強く、そして喜びにあふれた作品だ。
一方、ゴーギャンの「ブドウの収穫、人間の悲惨」は観念的で、私には良さが分からなかった。

ゴーギャンの「収穫」はよく分からなかったけれど、今回の展覧会で彼の作品の別の側面を見ることができたように思う。今までは「ゴーギャンの絵 = タヒチの人々を描いたもの」という図式しか持っていなかったが、今回出展されていた作品の多くは、表現方法は単純で平面的、内容は思索的・観念的・抽象的で、「タヒチの画家」と一言で言い切ることができない。タヒチの絵はタヒチの人々の褐色の肌色が印象的だが、今回の作品は赤系の色が心にしみた。

「収穫」以外に印象に残っている作品を1つずつ挙げておこう。

「グラスに生けた花咲くアーモンドの小枝」(ゴッホ):
桜の小枝に似ている。春を心待ちにするのは世界中どこでも同じようだ。
それにしてもゴッホは花の絵が多い。激情的な性格が取り上げられてばかりだが、彼はただ不器用なだけで、本当は繊細で心優しい人なのだろう。

「ハム」(ゴーギャン):
ハム、小タマネギ、ワインが入ったグラスを描いた静物画・・・なのだが、恐ろしく毅然としている。背景のオレンジ色が炎のようにも見え、妙に神々しい。この圧倒的な存在感は何と表現したらよいのだろう。

展覧会の最後はゴーギャンの「肘掛け椅子のひまわり」。この絵が制作された1901年、彼は全部で4点のひまわりを描いたとのこと。
1895年にタヒチへ向かい、二度とヨーロッパに戻らなかったゴーギャン。ひまわりを好んだゴッホが亡くなって11年、南洋の島で、ゴーギャンは何を思いながらこの花と向かい合っていたのだろうか。
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